自尊感情にまつわるコラム

0か100か思考に潜む自己陶酔

「0か100か思考」の背景とは

クライアント様の多くは「0か100か思考」に陥りがちです。
これは一見自分に厳しい完璧主義のようにとられがちですが、実は異なります。

一流の人が「これでよし」と満足せず「まだ改善できることはないか?」と探し続ける完璧主義とは根本的に異なります。
一流の人たちの完璧主義は、仕事に対する愛ゆえのことです。
彫刻家が自分の作品をこよなく愛すればこそ、何度も何度も手を入れるようなことです。
そしてこれらの人々は「自分は完璧には程遠い人間だ」という謙虚さがあります。

「0か100か思考」は「(仕事や、技や、作品ではなく)自分の存在が完壁であるはずだ」という自己陶酔の現れなのです。
そして現実は「思ったように完壁ではない自分」を受け入れるのが苦痛なため、結果「0」に、何もしない事を選択してしまいます。

人は行動を積まなければフィードバックを得られず、気づきもなく、成長が止まってしまいます。
そしてますます自分を縮こまらせてしまう悪循環に陥ります。

この自己陶酔は、程度の差はあれ誰でも持っています。
ほとんどの人は、自分の力を2割増しで過大評価しているのだそうです。

本当に自信がある人は謙虚だ、と言われますが、この謙虚さとは割増の自分でも割引の自分でもなく、掛け値のない自分、ということなのでしょう。
あるがままに掛け値なく自分を客観視できる人はそうはいません。

凡人である私たちは、せめてそれを心に留めていれば充分なのでしょう。

ナルシシズム・自己陶酔とは「死に至る病」

この自己陶酔が危険なのは、それが「死に至る病」だからです。
自己陶酔はナルシシズムとも言われますが、ナルシシズムの語源となるナルキッソスの神話をご存知でしょうか?

森の妖精(ニュンペー)のひとりエーコーが彼に恋をしたが、エーコーはゼウスがヘーラーの監視から逃れるのを歌とおしゃべり(別説ではおせじと噂)で助けたためにヘーラーの怒りをかい、自分では口がきけず、他人の言葉を繰り返すことのみを許されていた。

エーコーはナルキッソスの言葉を繰り返す以外、何もできなかったので、ナルキッソスは「退屈だ」としてエーコーを見捨てた。
エーコーは悲しみのあまり姿を失い、ただ声だけが残って木霊になった。

これを見た神に対する侮辱を罰する神ネメシスは、他人を愛せないナルキッソスが、ただ自分だけを愛するようにする。ある日ナルキッソスが水面を見ると、中に美しい少年がいた。もちろんそれはナルキッソス本人だった。ナルキッソスはひと目で恋に落ちた。

そしてそのまま水の中の美少年から離れることができなくなり、やせ細って死んだ。
また、水面に写った自分に口付けをしようとしてそのまま落ちて水死したという話もある。

ナルキッソスが死んだあとそこには水仙の花が咲いていた。この伝承から、スイセンのことを欧米ではナルシスと呼ぶ。
また、ナルシ(シ)スト(ナルシシズム)という語の語源でもある。(Wikipediaより)

自己陶酔から脱出するために

十代後半から二十代前半くらいまで、ほとんどの人が自己陶酔と自信のなさの間を揺れ動いています。

これは通過儀礼として避け得ない道です。
多くの人々の交わりー特に「自分とは異なる」人々とのーを通じ、自分は自分が思っていたほどには、美しくも賢くも優しくもない。
自分は他の人と違う、特別な存在だと思っていたかったけれど、隣のAさんともBさんともそうは変わらない、ただ個性が違うだけだということに気がつきます。

この世には善人も悪人もいない、天使も悪魔もいない。
ただ「普通の人々」がいるだけ。
普通の人間同士が力を合わせるから素晴らしいのだ、ということが徐々にわかってきます。

そして私たちは大人になっていくのですが、これに失敗すると「水鏡に映った完璧な私」に恋をし、溺れ、「そうではない現実の自分」を罰し続けてしまいます。

こんな残酷な事があるでしょうか?決して逃れられない自分自身から罰し続けられること、これが「死に至る病」です。
最悪の場合自殺を招いてしまいますが、そこまで至らないケースでも、現実の自分は置き去りにされ、水鏡に映った幻の自分が人生を支配してしまいます。

うつ、摂食障害、依存症、衝動行為、症状の違いはあれど根幹にはこの自己陶酔、逆から言えば自尊感情の不足があります。

この自己陶酔から脱出するための最大の条件は、「自分の人生に責任を持つこと」、これを措いてほかはありません。

セラピーでは

「現実の自分」
「あるがままの自分」
「何もかもは上手く出来ない自分」
「全ての期待には応えられない自分」
「時にすっ転ぶかっこ悪い自分」

を大事にできるようになること、即ち自尊感情を育てることを目指しています。

無料ステップメール「自分を大切にする7日間のレッスン」

自尊感情を高めるとは、自分を大切にすることと言い換えても良いでしょう。
「でも、具体的に何から始めたらいいの・・・?」の声にお応えして7日間のレッスンにまとめました。

《レッスンの一例》

● 体の声は心の声・体の状態に耳を傾ける
● 望まない人間関係に心の中で「No」を言う
● 「今・ここ」を生きるための自分への質問

Pradoの心理セラピー・セッションでお伝えしている内容を含んでいます。

どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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