人間関係の断捨離・選択眼を磨く2つの頭の体操

人間関係も引き算・但し引き算の方が難しい

人間の悩みのほとんどは人間関係に起因するものです。そして自分が相手とどこまで付き合うのか、決めていないがために振り回されています。

どんなことでもそうですが、足し算より引き算の方が解決が早いです。人間関係も同じです。ですから、「人間関係も思い切って断捨離しましょう」と言われていますが、それでも人間関係の悩みがなくならないのは、足し算より引き算の方が難しいからです。

おしゃれの引き算を例に取って考えてみましょう。究極のシンプルなスタイル「白シャツにジーパン」が、「誰でも着られるけれど、かっこよく決まるのは難しい」のは、その人に合う服の選択眼が厳しく要求されるからです。白シャツもジーパンも、色々な種類があり、その人に合うものを選び出すのは、自分自身と服との両方を良く知っていなければできません。

白シャツとジーパンの上に、ジャケットやセーターを重ねたり、小物やアクセサリーで足し算をした方が、悪く言えばごまかせてしまえます。その意味で、引き算のおしゃれは上級者こそができるものです。

ココ・シャネルの言葉に「エレガンスとは拒絶すること」があります。「何を着るか」以上に「何を着ないか」、そしてその根拠がわかっていること、それには成熟した選択眼が必要なのです。

お料理だと、切るだけの刺身や、焼くだけのステーキが難しかったり、華道でも「何を生けないか」も、審美眼を養っていないとできないのと同じです。

仕事でも「何をやらないか」の引き算のためには、状況判断と個々の仕事の重要度の見極めができる、高度なスキルが求められます。経験が浅く、自信がない時ほど「あれもこれも」のてんこ盛りになってしまうのは、この高度なスキルに至るまでの通過儀礼のようなものです。

人間関係の断捨離も、「何故、断捨離するのか」の根拠に自信が持てないと、思い切ってできません。特に人の場合は服や料理と違って感情や利害が絡むので、尚更難しく感じます。

そもそも「断捨離」とは

そもそも「断捨離」とは何か、おさらいしておきましょう。

「断捨離」のそれぞれの文字には、ヨーガの行法(ぎょうほう)である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)に対応し、

断 : 新たに手に入りそうな不要なものを断る
捨:家にずっとある不要な物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
という意味がある。

すなわち「断捨離」とは、不要な物を「断ち」「捨て」、物への執着から「離れる」ことにより、「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を開放し、身軽で快適な生活と人生を手に入れようとする思想である。ヨーガの行法が元になっているため、単なる片付けとは異なるものとされている。

Wikipedia より

単に不用品を捨てるだけではなく、前もって不要なものを断る力、そして執着から離れる心も同時に求められています。不用品を捨てるだけなら、また元の木阿弥になるからです。

人間関係も同じで、今の自分にとって不要な人間関係を捨てる、その選択眼を磨くことで、前もって「入るを制す」。そして支配/依存の土台である執着をなくし、「身軽で快適な生活と人生を手に入れる」ということです。

よく「クローゼットの中身が整理され、『箪笥の肥やし』がない人ほど、人生が上手くいっている」と言われています。人の心は「どこを切っても金太郎」になっていますから、クローゼットも、パソコンのフォルダーも、人間関係も同じです。どれかだけ、ということはありません。

「この人との関係を断つべきか」と迷う時は

さて、自尊感情が低ければ低いほど、自分を蔑ろにされても気づけないものです。一見大人しそうでも、芯の強い人はいじめられない、それはその人の自尊感情が高いからです。いじめはその逆が起きています。

また人は関係性を本能的に維持しようとするので、蔑ろにされても、近い関係ほど「私が悪かったのかな?変なことをしたかな?」と自分を責めてでも相手を庇おうとさえします。いわゆるいい人ほどそれをやりがちで、ずるい人はまたそれに付け込んできます。

「この人との関係を断つべきか」と迷う時、既に「関係を断ちたい」と思っています。ただそれまでの経緯があったり、自分だけのことで済まない場合は、迷いが大きくなるでしょう。

まずは相手が取った態度が「受け入れてはいけない」ものだったかどうか、検証するプロセスが必要です。上述した通り「私が悪かったのかな?」が先に立つと、「実際のところはどうか」の検証の前に、反応的に自分から相手の機嫌を取ろうとさえしてしまいかねません。

「他人のことはよくわかる」ものです。自分のことになるとわからなくなる、そうした時は「他人に置き換えてみる」とわかりやすいです。これには「自分を他人に置き換える」と「相手を自分に置き換える」の2パターンがあります。

例1:ある男性が遠回しにこちらからデートに誘わせようとする。自分からは誘わない。会っているときは楽しいので、つい妥協してこちらから誘っているが、段々疲れてきた。

「自分を他人に置き換える」⇒自分に年頃の娘がいると仮定して、その娘から同じ相談をされたら何と答えるか。

「相手を自分に置き換える」⇒自分なら本当に大事な人に、何度も遠回しに誘わせたりするかどうか。相手の気持ちを試すことばかり続けるかどうか。

例2:親が「これまで旅行に連れて行ったんだから、今度はあんたが連れて行け」とねだる。今は家計が苦しく、そんな余裕はないことや、自分もこれまで親を旅行に連れて行ったことを伝えても、「あれが最後か」と聞く耳を持たない。

「自分を他人に置き換える」⇒友達に同じ相談をされたら何と答えるか。

「相手を自分に置き換える」⇒自分が子供にそんなことをねだるかどうか。

こうした頭の体操は、意識的にやらないと意外としません。ただやりさえすれば、自ずと答えは導き出せます。

いずれの例も「本当に相手を大事にしていれば、このようなことはしない」のです。簡単に言えば、「目先の自分可愛さ」でしかありません。

しかし関係性に巻き込まれ、一旦相手に好意を感じ、信頼してしまうとそれがわからなくなってしまいます。特に親に対しては、子供は原則「親を好きでいたい」ものなので、他人のように客観的な評価を下しにくいのです。

単にその時に余裕がなくてとか、お互いの行き違いとか、誰もがついやってしまう「いらぬお節介」とか、相手に経験がないからわかってもらえなかったとか、「人間だし、仕方ないよね」「私にもそういうこともあるかも」と許容できることか、「相手を蔑ろにした態度」そのものかを見極めていく、それが断捨離のための選択眼になります。

また、自分にだけでなく他の人に取った態度が、「相手を本当に大事にしていたら、あんな言動はするだろうか?」と検証してみることも大切です。

貴方を蔑ろにした人は、貴方だけを蔑ろにするのではありません。

人を蔑ろにして平気な人は、自分に不利益が被らない限り、隙あらば他の人にも同じことをします。別の角度から言えば、今まで自分を蔑ろにされてはなかったとしても、状況の変化でいつでもそうされる可能性はあり、そして自分がそのような人と今後も付き合うのか、付き合うとすればどこまで付き合うのかを一つ一つ考え、選択することが人間関係の断捨離の肝なのです。

自分を蔑ろにされた時に、自尊感情を下げないために

自尊感情豊かに生きるためには、相手が誰であろうと、自分を蔑ろにする相手とは関わらない、職場など関わらざるを得ない場合は、毅然として距離を置く、相手に付け込ませる隙を与えないなどの対処が必要です。

そして自分を蔑ろにされると、上述した通り気持ちの優しい「いい人」ほど「私が悪かったのかな?」になり、自分から自尊感情を下げてしまいます。そう思わなかったとしても、理不尽ないじめ、いいように利用される、恥をかかされるなどは、やはり自尊感情を下げてしまうもの。非常に罪深いものです。

自分を蔑ろにされた時に、傷つくことを恐れず、ごまかさず、きちんと怒りを感じられることが第一歩です。怒ってもいいし、恨むのも人間であれば当然で、その感情を感じ切り、「それも自分の一部だ」と受け入れていくことが重要です。「恨む私はみっともない」というナルシシズムがあったり、よくありがちな「さっさとこの不快をどうにかしたい」だと、却って上手くいきません。

そしてそれをやり切った上で、「蔑ろにしたのは相手の問題。相手の品性や良心の問題」と自分の問題と切り分けられると、自尊感情は下がりません。

自尊感情豊かな人は、嫌がらせや嫉妬を受けても、この切り分けが早く、上手なのです。外から見ると「タフな人」のように思えるでしょう。今すぐ早く上手にできる必要はありません。相手との関係性や出来事によっては、時間がかかっても当然です。ただ、プロセスは同じだと理解して頂けたらと思います。

そして貴方を蔑ろにした人との関係性を断ち切った後、自分の心に聞いてみてください。今、どう感じているかを。「ホッとした」「すっきりした」「早くすればよかった」が大方の反応だと思います。そしてそれが、貴方の心が長い間待ち望んでいたことです。

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生きづらい貴方へ

自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。