売名目的の目立ちたがり屋の特徴5つ・善意を利用されないために

「目立ちたがり屋」のうんざり感

「目立ちたがり屋」という言葉には、余り良い印象を持たないでしょう。

自ずから目立つ、自然と目を引くのと違い、目立ちたがり屋は「人を押しのけてでも」というエゴが見え隠れします。

単にSNSでの自慢や、派閥を作りたがる、いわゆるマウントを取りたがる人には、毅然として、かつ自然体でスルーするのが一番です。将軍は雑兵を相手にしないもの。「誰と関わらないか」「関わらざるを得ない場合はどこまで関わるか」を判断するのも、大人は自分の責任です。

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ただ厄介なのは、こちらの善意を食い物にして目立とうとする、即ち売名行為に自分が使われてしまった場合です。当初は売名行為とは全く思わなかった、そして自分にも何かできることをしたい気持ちがあった、共感性が高く、そ知らぬふりができない「いい人」ほど、まんまと罠に引っかかってしまうことがあります。

特に金銭が絡むと、心の傷が深くなります。金額の多寡に関わらず「利用された感」が深くなるからです。またこの手のことは商行為ではないので、返金されないケースが多く、特にそれまでの付き合いがあると、事を荒立てたくない心理が働いて泣き寝入りになりがちです。

今回は目立ちたがり屋の中でも、善意を食い物にする人の主だった特徴を以下に挙げ、そして目立とうとはしないのに「自ずから目立つ」本物を見極める目を養う重要性について述べていきます。

善意の仮面を被っている目立ちたがり屋の5つの特徴

単なる目立ちたがり屋なら放っておけても、善意の仮面を被っていると騙されてしまいます。しかしこれは最初からは中々わかりません。それでも時間の経過とともに、「あれ?おかしいな」とアンテナに引っかかるチェックポイントがいくつかあります。

①目的「誰の何のために」がすり替わる

まず一番はこれです。本当に困っている人のために何とかしたいのであれば、「何をするか」の手段は状況によって変わっても、「誰の何のために」の目的がぶれる筈はありません。

ある人の経験ですが、2011年の東北の震災の後、以前からの知り合いが「被災者支援のためのNPOを立ち上げるから、是非参加してほしい」と勧誘を受けました。そのNPOに関わっているのは知り合いばかりだったので信頼し、また自分も何かしたいが、何をどうして良いかわからない状態だったので快諾しました。

ですが蓋を開けてみると、震災とは全く関係のないテーマの、しかも外国人講師のセミナーばかりでした。そのNPOの代表は英語通訳で、セミナーの際は必ずその代表が通訳として皆の前に立っていました。

おかしいなとは思ったものの、一年目では関係を断ち切りづらく、二年目までの年会費は払いましたが、それ以降は「やはり話が違う」と判断して継続しませんでした。

被災者支援は、結局は人集め、資金集めの口実で、自分たちの実績づくりに参加者が使われたのではないか、とその人は話していました。そう取られても仕方がないでしょう。

その時々の世間の注目が集まっていることに便乗して、目立ちたいだけの人は少なくありません。

②地道なことはしたがらないが「手柄は自分」にしたい

生活に困窮しているシングルマザーのためのシェアハウスを作りたいから、協力してくれないか、と声を掛けられた人がいます。趣旨に共感したその人は、自然豊かな環境で、庭付きの部屋数の多い中古住宅を、主催者と共にあちこち探し歩いたそうです。

条件に合う物件が見つかり、主催者一人では資金が足りなかったため、あと三人がお金を出して購入しました。そして主催者が「共同名義ではなく、自分一人の名義にしたい」と言い出しました。一番多く出資したのは主催者だったこともあって、その時は疑問に思わず承諾しました。

しかしその後、具体的な活動にならず、お金を出しただけで手つかずのままになってしまいました。

主催者は「派手な打ち上げ花火は上げるけれど、地道なプロセスに落とし込むのは面倒」というタイプなのかもしれません。それならそうと、やる気のある誰かに任せればいいのに、色々と口実をつけてそれもしたがらないのだそうです。

つまり「地道で面倒なことからは逃げるが、手柄を誰かに譲るのも嫌」巻き込まれると大迷惑なタイプです。

この話をしてくれた人は、口約束だけで出資してしまったことを大変後悔していました。「誰が、いつ、何を、どのように」の具体的な計画は何一つなかったのです。「具体的な計画書を、紙かデータベースでもらってからじゃないと、お金を出すべきではなかった」が話をしてくれた人の反省の弁でした。

③同じ目的の他の人の活動を紹介しない

2022年8月現在、コロナワクチンや新生活様式に反対している多くの人が、SNSを駆使して日々発信をしています。SNS以外に、動画やブログなども使われています。そうした活動をしている人は、SNS上では必ず共感する誰かと繋がっています。

自分は投稿しているのに、繋がっている人の活動、デモ、署名活動、講演会やドキュメンタリー映画の上映会等を、「全く」シェアしないのはやはり不自然です。活動以外に、地上波TVでは決して取り上げない海外の動向や、研究データなどの投稿も同じです。

全てとは言わなくても、これはと思う活動や記事を紹介し、情報を共有しようとしない。これも②の「『手柄は自分』にしたい」の可能性があります。

本当に困っている人のためなら、誰がやってもいいことなのに、元々の目的が「自分が目立ちたい。『○○さんってすごいですね』と言われたい。自分の周りに仲間を集めたい」だと、「自分より他人が目立つのが気に食わない」と大変くだらない動機のために、情報の紹介をしなくなってしまいます。

④会計報告を明確にしない

会計報告を明確にしない、その時点で信用に値しません。①のNPOは、10年ほど続いて解散になったそうですが、一度も会計報告をしなかったそうです。年会費が何にどれくらい使われていたのか、わからないままでした。

一番良いのはイベントごとの収支報告ですが、最低でも年に一度は締めをして、お金を払った人たちに公開し、いつでも閲覧できるようにしておくのが当然です。

外食や、映画やコンサート、観劇などで「期待外れだった。お金を返してほしい位だ」と思うのと、善意で「困ってる人のために」とお金を出した時の「裏切られた感」は、心の傷の深さが違います。自分の綺麗な気持ちを利用され、踏みにじられたと感じるからです。

ですから、こうした善意でお金を出す場合は、万一「しまった!」という結果になっても、「痛かったけれど、これも授業料。こんな経験もないと学べない」と自分に言い聞かせられる金額にすることをお勧めします。

というのは、払った金額が余りにも大きいと、人は「取り返しのつかないことをした」と認めるのが辛いために、「自分の選択は誤っていない」と認知を歪めて自分と相手を庇うからです。本当に悪い人間は、この選択支持バイアスを利用して、高いお金を騙し取ろうとします。

⑤共感を呼ぶ発信が上手だが、「耳の痛い真実」は言わない

目立ちたいとは、多くの人の注目を浴びたい、ということです。目立ちたがり屋は「どうやったらより多くの人の注目を浴び、自分の周りに人が集まってくるか」を常々考え続けているので、口が上手い人が多いです。

人は共感を本能的に欲し、共感できる人を自分の仲間だと思います。それは自然なことですが、相手が「共感を呼びそうなことだけを選んで」発信していることも、ままあるので注意が必要です。

人間が生涯をかけて願い求めるもの。それは真、善、美である。日本には、善と美は豊かであるが真がない。真がなければ普遍的価値を持たない。そしてこの真にだけ苦いものが伴う。

「心に残るヴィエラ神父の言葉」フェリックス・ヴィエラ神父

善と美は快であり、真は不快なのです。ですから、人は真を見て見ぬふりをします。偽善かそうでないかは、真に裏打ちされているかでしょう。感染対策には逆効果のマスクを炎天下の屋外で汗だくになっても外さず、「正しいことをやっている気分に浸る」のは偽善です。

目立ちたがり屋は耳に快い善と美(つまりきれいごと)は何度でも口にしますが、苦い真、耳の痛い真実は決して言いません。それをすると人が去っていくからです。

こちらが常日頃から、「苦い真」に耳を塞がず、何が「苦い真」なのかを見抜き、それを言ってくれる人こそ得難い存在だと感じ取れる心を養うことも、善意を食い物にする目立ちたがり屋から、結果的に身を守ることになります。

自ずから目立つ人は目立とうとはしない

冒頭にも書いた通り、「目立ちたがり屋」と「自ずから目立つ人」は異なります。

目立つだろう 岡は

あの4人を同じように見比べようとしてみろ
だが気がつけば いつか岡の動きを目が追ってしまっている

お前もああいう選手になるんだぞ

50人で素振りをしていたらその中で
100人で乱打をしていたらその中で

自然に目の止まる
自然に目を引く選手
それが本物だ!

「エースをねらえ!」山本鈴美香

際立った容姿でなくても、寧ろ平凡で地味なくらいなのに、何故か目立つ、目を引く。それはその人の内側からにじみ出てくるもの以外の、何物でもありません。

そしてそれは日々の積み重ねの賜物です。

20歳の顔は自然からの贈り物、30歳の顔はあなたの人生。でも、50歳の顔はあなたの功績よ。

ココ・シャネル

50歳になった時、その功績はやり直しがききません。ですから、私たちの平凡な日常、その中での一つ一つの選択が大変重要です。例えばマスク一つするしないにも、その人の人生の集大成がそこに現れています。全人格の現れであり、それがその人の次の人格を作ります。その人の人格以上の人生などありません。

「自ずから目立つ人」とはどういう人か、社会的地位や経済的な豊かさなどどは無関係です。それを見抜く目を養うのは自分しかなく、決まったマニュアルもありません。

そして当たり前のことですが、自ずから目立つ人は目立とうとはしません。身近な「自ずから目立つ人」を思い起こしてみるのも、参考になるでしょう。

私が会社員だった30代の前半に、当時理事(取締役の一つ下、部長の一つ上)だった方が私の上司の上司でした。社内では知らぬ人のいない、ゆくゆくは社長になるだろうと目されていた人でしたが、大きな声を出すことなどなく、いつも静かに振舞っておられました。大変多忙なため、私のデスクのある部署にはめったに来られませんでしたが、たまに来られると震えあがるくらい怖かったことを思い出します。

黙っていても、周囲を威嚇したりは決してしなくても、その威厳は他の人には決してないものでした。そして間もなく、その方は周囲の予想通りに社長に就任しました。

「目立ちたがり屋」と「自ずから目立つ人」の違い、それがわかる感性を養うと、最初は「目立ちたがり屋」に興味を持ったとしても、「これは違うかな」とやがて自分のアンテナが教えてくれるようになるでしょう。

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