自尊感情にまつわるコラム

実は自信を失う「虎の威を借る狐」・権威づけにご用心

「虎の威を借る狐」に、好感を持てないのは

「虎の威を借る狐」とは、「他人の権力を後ろ盾にして威張ること」です。
他人の権威をかさに着て威張る人に、好感を持てないのは当然です。

「社長の命令なんだよ!文句を言うな!」と言われると、仕方なく従っても、お腹の中では「何だよ・・・。自分の言葉で説得できないのか」と思ったりします。

そう、実際に「自分の言葉では説得できない」からこそ、虎の威を借りてしまうのです。
同じ業務命令でも、その人が自分の言葉で、何故それをしなくてはならないのか、一生懸命伝えようとしてくれたら、「その人」を悪く思うことはないでしょう。

つまりここには「自分の責任を逃れ、他人の威光を借りて、人を思い通りに動かそうとする卑怯さ」があり、人はこれに不快な反応を示します。

そしてこれは、その時はうまくいったように思えても、その人自身が「私は虎の威を借る狐だ」という暗示を自分で入れてしまい、実は益々自信を失ってしまいます。
「私は決して虎にはなれない」、或いは「狐の自分で充分OKだと思えない」に自分からなってしまうのです。

自信がないから「虎の威を借る」のも事実ですが、潜在意識には「虎の威を借るから、自信がなくなる」というひっくり返った暗示が入ります。

潜在意識の特徴 ⑧ひっくり返りの法則

「私には自信がない」の暗示を入れてしまう例

人は自分に自信をつけようとしているつもりで、実は「私は虎の威を借りなくてはならない狐だ」という暗示を自分で入れてしまう、こうした罠は、日常のあちこちにあります。
いくつか例を挙げると

  • 芸能人やスポーツ選手のサイン色紙を、店頭に飾る。⇒自分の店は、これらの芸能人やスポーツ選手よりも格下だ、という暗示を自分で入れてしまっています。オーナーが自分の店の格を、どの程度に置きたいのかがこうしたことに現れます。
  • facebookなどのSNSで、「有名人だから」「有力者だから」という理由だけで「友達」になろうとする。或いは、有名人とのツーショット写真を自分のプロフィール写真にする。有名人であってもなくても、「その人」を大事にしたい気持ちがなければ、「虎の威を借る狐」になってしまいます。
  • SNSで、自分の言葉を添えずに、他人の投稿を自分の主張であるかのようにシェアをする。主張ではなく備忘録として、自分のウォールにシェアするのならOKです。また、シェアをするにも、短くても自分の考えを添えてなら、「自分の意見に責任を持っている」になるので「虎の威を借る狐」にはなりません。
  • 名刺やプロフィールに、「実際には活用していない資格」「名前だけの役職」をずらずらと挙げる。
  • 「私の主人がどこそこに勤めていて」「私の子供がどこそこ大学に進学して」を聞かれてもいないのに自分から言う。
  • 仕事の実績や、お客様からの評判を自社サイトにUPするのはOKですが(それを見て、仕事を発注する判断材料にする人もいるので)、SNSで発信してしまうと「黙ってやれない人」「虎の威を借る狐」になってしまいます。仕事は「黙ってやるもの」で、関係のない人様に公言して回ることではありません。

「慎みがない」ことをしない、これが実は自信につながっています。

慎みという言葉が、最近は余り言われなくなったかもしれません。慎みのある態度は、実は力のない人には取れないのです。本当に自信がある人は、決して威張らず、目立とうともしないのは、この慎みによるところが大きいでしょう。

逆からいえば、上記のようなことをしない、これを心掛けていくことで、「自分は自分でいい」「私は誰かの威光を借りる必要のない人間だ」という暗示を、そのたびごとに入れることができます。

「私はこう思う」をしないと、権威に頼りたくなる

虎の威、つまり権威を借りたがるのは、冒頭の例でもあった通り「私はこう思う」を伝えたがらない時です。

「私はこう思う」を伝えるのは、人からの反論にあう可能性があります。この反論を、単に考えが違うだけなのに、まるで自分の全存在を否定されるかのように捉えていると、「私はこう思う」が言えなくなってしまいます。

「私はこう思う」を伝えるのは責任と勇気、相手にいろいろな角度から説明し、また相手の言い分を受け止めるという根気強さが必要です。

ですから、てっとり早く「虎の威」を借りた方が楽なのです。ですがそれと引き換えに、自分にしか育めない勇気と根気強さを放棄し、また人からの信頼を失ってしまいます。

勇気と根気強さ、そして人からの信頼を失うリスク、これを骨身にしみて感じている人は、安易に虎の威を借りません。

相手を思いやるため、引用としての権威はOK

ただし、権威を利用するのが、何が何でも悪いわけではありません。

引用として、権威のある人の言葉を借りるのは、相手のためになることもあります。

例えば「松下幸之助が『素直さが大事』だと言っていました」と、「素直さが大事よ!」と言われるのでは、受け取り方が違うかと思います。
直接「素直さが大事よ!」と言うと、相手は上から目線のお説教をされているかのように受け取ってしまいかねません。

「何であんたに説教されなきゃならないの!?」と反発し、肝心の「素直さが大事」のメッセージは伝わりません。

相手と同じ目の高さに立ちながら、特に心のあり方に関するメッセージを伝えたい場合は、こうした権威ある人(この場合は松下幸之助)の言葉を引用するのは、相手への思いやりになります。
これは自分の権威づけのためではなく、相手のためです。

ただこれも、あまり再々使うと「自分の言葉で言えないの?」になりますので、ここぞという時に絞るのが効果的です。

権威は美貌と同じく、人様が結果的に「感じる」もの

自分の美貌に内心自負がある人でも、普通の感覚の人ならそれをひけらかしたりはしません。
また、「きれいでいたい」気持ちは大切ですが、その人がきれいかどうかは、自分が決めることではありません。

権威も同じです。

並々ならぬ努力の結果、人様が「あの人は○○の権威だ」と結果的に感じ取るものです。
「私は美人」と自分で言うのが滑稽なように、「私は○○の権威です」と自分から言うのはおかしなことです。

そしてどんな仕事も、自分の権威づけのためにするものではありません。誰が気づこうが気づくまいが、それが仕事だからするのです。

権威を目的としてしまうのは、自分のエゴのためになっている、人が「虎の威を借る狐」に嫌悪感を抱くのは、こうした理由でもあるでしょう。

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