「肩に力が入る」から「腹を据える」へ・不安や怒りもエネルギー

「肩に力が入る」時とは

「もっと肩の力を抜いたら?」と言われて、自分でもそうした方がもっと上手くいくだろう、とわかっていてもできない、そうした経験はないでしょうか?

肩に力が入りやすい人は、まず真面目な頑張り屋であり、責任感や義務感が強い人が多いでしょう。そのこと自体は美徳であり、決して悪いことではありません。しかし、肩に力が入った状態は長続きしませんし、何しろ自分が疲弊し、時には周りがぎすぎすしてしまいかねません。

肩に力が入った状態とは、交感神経が優位な状態です。

交感神経とは、二つある自律神経の一つであり、覚醒し、緊張や興奮している時に優位になります。もう一つの副交感神経はその逆の状態、リラックスモードの時に優位になります。人間の心身の健康には、副交感神経がやや優位な状態が望ましいのですが、忙しく情報過多の現代では、交感神経のスイッチが入りっぱなしになっているでしょう。

交感神経とは、別の表現で言えば、「逃げるか、戦うか」モードです。つまり何かを恐れているから、「逃げるか、戦うか」モードになり、肩に力が入ってしまいます。それに氣づいたら、「私は何を恐れているのだろう?」とまず自分に質問するところから始めてみましょう。恐れの対象がわからないのに、肩の力だけ抜くのはそもそも無理です。

自分で勝手に膨らました不安は打算から

その恐れが、「自分で勝手に作って膨らました」不安、例えば「人からどう思われるかが氣になる、悪く思われるのが怖い」のであれば、自分の生き方の動機が「これが正しい、良いと思うことをやりたい」ではなく、「良い人だと思われたい/悪く思われたくない」になっている結果です。それは自分の打算、そして虚栄心に、自分の首を絞められている状態です。自尊と虚栄は反比例の関係にあります。

この打算を解消しない限り、人が何を思うかをコントロールすることはできないので、自分が作り上げた不安にいつまでも振り回されっぱなしになります。

その場合は、「誰にも氣づかれなくても、良いと思うこと、正しいと思うことをやり続ける」即ち陰徳の習慣を身に着けるのも解消方法の一つです。家の近所のゴミ拾いなどは、ほとんど誰にも氣づかれません。それでもたまに「ご苦労様です」と声を掛けてくれる人もいます。

勿論そうしたことはあってもなくても、一番大切なのはやり続けることです。目先の損得、褒められるから、その反対の悪く言われるからで動かされないのが、打算的ではない生き方です。そしてその意義を体得すると、人から言われるまでもなく「打算で生きるのは虚しい」と自ずと感じ、そうした生き方から卒業できます。結果「人からどう思われるか」に振り回されなくなるでしょう。

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真剣に生きればこその不安や怒り、悔しさ

自分の打算、つまりエゴで勝手に不安がっていることと、真剣に物事に取り組めばこそ不安になったり、怒りや悔しさが湧いてくるのは異なります。

例えば、不安を全く感じていない経営者はいない筈です。雇われの身と違い、資金繰りの不安、社運を賭けた新商品が当たらないかもしれない不安、いつ従業員が辞めてしまうかもしれない不安、そうした不安が全くない経営者はいないでしょう。これらの不安を全く感じない経営者の方が、どうかしていると言われても仕方がありません。つまり、「ある日突然、会社がなくなるかもしれない」不安が消えてなくなりはしないのが経営者です。実際、倒産は「社員たちはその日の午前中まで、ごく普通に仕事をしていた」のに起こるのです。

景気が上向けば少しは安心できますが、「だからもう大丈夫」には決してなりません。ではだからと言って、全ての経営者が不安に苛まれて、いつも肩に力が入りっぱなしにはなっていません。

経営者に限らず、人は真剣に生きればこそ、怒りや悔しさ、不安もまた強くなります。ヘラヘラ笑って生きている人、怖くて面倒なことは人に押し付けて自分は逃げる人、耳の痛いことを少しでも言われると拗ねて怒り出す人、世間に迎合し「何が正しいかより、どっちにつけば、どう振舞えば、自分が傷つかず、損をしないか。楽して得できるか」の打算で生きている人には、真剣に生きればこそ湧き上がってくる怒りや悔しさ、「今後の世界はどうなるんだろう」といった不安を、厄介者扱いこそすれ、それを大事に扱うことはできません。

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湧き上がるエネルギーを使う「腹を据える」

不安も怒りも悔しさも、エネルギーです。肩に力を入れて、抑え込もうとするのは、そのエネルギーをないものにしようとする、無駄な、ある意味もったいない努力の仕方です。

そのエネルギーをお腹から湧き上がるエネルギーとして大事に使う、そう発想を転換できると、肩に力が入ることが減っていくでしょう。それが「腹を据える」ということです。

肩に力が入るのは、上から下に抑え込もうとすること、腹を据えるのは後述しますが、下から上にエネルギーが湧き上がるのを使うこと、そうした違いがあります。

今貴方が感じている不安が、腹を据えて取り組むべきことかどうか、まず仕分けします。上述したような自分の打算やエゴによる不安だったり、自分ではどうにもならないこと(彼氏が浮気してたらどうしよう、子供がいつまでも結婚しないのが不安、など)を不安がっていないか、まず客観視し、整理してみましょう。そして、「自分が何かを取り組む必要があること」「その不安を解消することで、自分と周囲が幸せになること」であれば、まっとうな不安(例えば経済的な不安や、健康面の不安、大事な人との人間関係を修復したいなど)と言えるでしょう。

そして体の状態がどうなっているか、観察してみましょう。文字通り、肩に力が入っていないかどうか、いつの間にか歯を食いしばっていたり、特に上半身に力が入っていないでしょうか。それだけ緊張している、つまり交感神経が優位になっている状態です。

ところで「腹を据える」の腹とは、丹田のことです。女性なら子宮のあたり、かなり下の方です。

【丹田の位置・両手の指を揃え、片方の親指をおへそに当てます。そしてもう片方の手をすぐ下に当てます。下の手の位置が丹田です。】

そして丹田に意識を向け、重心を下ろしてみます。そうすると、自ずと肩の力が抜け、肩甲骨が開き、胸が開いて自然に呼吸が深くなるでしょう。

湧き上がってくる不安、或いは怒り、悔しさ、悲しみが、エネルギーとなって丹田から上に向かって背筋を通って頭頂からさらに上に放出されていく、そしてもう一人の自分が、そのエネルギーを抑え込むのではなく、水が噴き出るホースをしっかり握って、必要なところに水を届ける、そういう風に上手にエネルギーを扱っているとイメージしてみましょう。

そのエネルギーが、自分の地道な行動や勇氣の原動力になったり、物事の考え方、受け止め方が変わって視野が広がり、困難を乗り越えて一回りも二回りも大きな人間にしてくれるでしょう。

不快な感情を厄介者扱いしないために

つい人は、他人を説得して変えようとしたがります。勿論自分の意見を表明して、相手に考えてもらったり、理由や事情を説明して行動を変えてもらうアプローチが必要なことも多々あります。しかしそれでも、どんなに歯がゆくても、自分を変えられるのは自分だけです。そして変化を起こすにはエネルギーが要ります。つまり人は、現状維持が楽ですし、責任が伴う自己決定より「言われるがまま」が楽なのです。

ですが、現状維持は本当はありません。肉体と同じく、精神も放っておけば衰えます。そして自己決定を放棄していては、上述の「丹田から湧き上がるエネルギーを、水が噴き出るホースをしっかり握るように、上手にコントロールして扱う」ことはできません。自分が振り回されてしまいます。

肩に力を入れて、不安や怒りを抑え込み、なかったことにしようとするより、腹を据えてエネルギーに変える、そうすると、不快な感情を受け入れ、厄介者扱いしなくなる、それはとりもなおさず、そう感じた自分を厄介者扱いしない、自尊感情の高さに繋がっていきます。

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《レッスンの一例》

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● 「今・ここ」を生きるための自分への質問

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どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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生きづらい貴方へ

自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。