「0か1か」のデジタル思考・「0と1の間は無限」のアナログ思考

早めに危機を察知できる人・ぎりぎりまで「まだ大丈夫」の人

先般のアフガニスタンの脱出劇で、多くのアフガン人が今まさに飛び立とうとする飛行機に飛びつき、ぶら下がろうとして振り落とされる映像が流れました。
私はアフガン情勢には詳しくありませんが、このようなことが起きることは、ずっと以前から予測されていたことらしく、「わかっていた」人たちは半年以上前にはアフガニスタンを脱出していたそうです。

コロナ騒動も同じです。ずっと以前から世界情勢を追っていた人は、2020年の春先の段階で「ついに始まった」と悟ったそうです。

私は2020年4月の最初の緊急事態宣言で「これはおかしい。尋常ならざることが起きている」と氣づき、5月に「新しい生活様式」を政府が言い出した時に「こっちが目的だ」とわかりました。
それ以降、日々情報収集をし、コロナの嘘を見抜き、ワクチンがいかに危険かを、接種が先行している海外の情報から得ていました。そして主にSNSを通じて日々発信してきました。

しかし悲しいかな、大多数の日本人は2021年10月現在「まだ大丈夫」の状態のようです。

0か1かのデジタル思考・脳はサボると単純化する

最後のぎりぎりまで「まだ大丈夫」をやってしまうのは、0か1かのデジタル思考になっているからです。デジタルとは0と1しかない世界です。

白か黒か、危険か安全かしかない世界観です。健康か病氣か、倒産か倒産してないか、戦争か平和かの二択しかないようなものです。1が安全とすると、0が危険です。危険か安全かの二極を行ったり来たりするようなものです。「1:安全」というフラグが立ち、いよいよ本当に危険になった時に1のフラグが倒れて、「0:危険」のフラグが立つ、そんなイメージです。

脳は体の筋肉と同じでサボりたがります。脳がサボるとは単純化することです。ですから、ともするとどんな人もデジタル思考に陥ってしまいます。これに学歴は関係ありません。日本の学歴は受験技術に長けているかどうかです。思考の柔軟性を問うものではありません。

注意すべきは、「デジタル思考の人と、そうでない人の二択」もデジタル思考ということです。後述するアナログ思考が比較的できている人でも、分野によってはデジタル思考になりかねません。仕事ではアナログ思考でも、自分の健康は「まだ大丈夫」をやってしまうなどです。

危険を察知し、自ら行動を起こすのは勇氣と行動力、つまりエネルギーが要ります。見て見ぬふりをする方が楽なので、言い訳をしながら「まだ大丈夫」をやりたがるのです。

実際には0と1の間は無限・行きつ戻りつがある

しかし現実には、0と1の間には無限の間があります。例えば0.00001から0.000012、0.000013へと無限なのです。そして0から1へ、1から0へと動くばかりではなく、行きつ戻りつがあるものです。

デジタル思考を天候に当てはめると「雨か、雨ではないか」、これが極端すぎるなら、せいぜい「晴れと曇りと雨しかない」世界観です。

現実には、晴れていても風が妙に湿気があるとか、やけに雲が早く流れるとか、「雨になる予兆」はあります。雨が降っていても、だんだん空が明るくなってくると「もう上がりそうだな」とわかります。また「降りそうだったけど、少しぱらついただけで本降りにはならなかった」といった微妙な天氣もあります。

白と黒の間のグレーにも、無限の濃淡があり、青がかったグレー、ピンクがかったグレーなど様々です。また白にも黒にも、様々な白や黒があります。

当たり前と言えば当たり前のことなのですが、脳を意識して鍛えておかないと、この微妙な差と変化を認識できません。「事実として知っている」ことと、「脳がその通りに認識する」こととは異なります。

わずかな兆しを見逃さないアナログ思考

デジタル思考とは対極のアナログ思考とは、上記のように「0と1の間は無限である」という思考法であり、態度です。どの分野でも優れた人が必ず「観察することの大切さ」を説くのは、この「0と1の間の無限」のことを言っています。

特に人間関係においては、ある日突然深刻な事態になるのではありません。その前に無数の「0と1の間」、つまり予兆があります。どんなに口下手な人でも、小さなSOSのサインを無意識のうちに出しています。何か顔色がさえないとか、声の調子が違うとか、目線が下を向いているとか、反応が鈍いとか。この微妙な「0と1の間」を拾い上げるためにこそ、相手に関心を向けることが非常に重要です。

「忙しい」ことが良くないのは、この微妙なサインを拾い上げる心の余裕がなくなってしまうからでもあります。仕事や学業の忙しさだけでなく、多くの人が暇つぶしにスマホをいじり、本当は不要な情報で脳がいっぱいになってしまいます。この弊害に氣づいている人は決して多くはないでしょう。

アナログ思考を平時から鍛えておかないと、「表面化した時にはもう手遅れ」になりかねません。

アナログ思考を鍛えるために ①結果予測の習慣

では、どのようにしたらデジタル思考からアナログ思考に変えられるでしょうか?

上記したように、まずは「微妙な違い」に意識を向ける、すなわち観察するところから始めます。ただこれも、やみくもに観察するのでは何をどう観察すればいいのかわかりません。「どちらの方向へ行っているのか」を念頭に置きながら観察します。

天氣の例で言えば「晴れに向かっているのか、雨に向かっているのか」「暖かくなっているのか、寒くなっているのか」「蒸し蒸ししているのか、乾燥しているのか」など、矢印のどちらに向かっているのかを念頭に置くと、違いが分かりやすくなります。

「矢印のどちらの方向に向かっているのか」すなわち結果予測ですが、意外と人はこれをやりたがりません。というのは、まだ小さな子供は結果予測ができません。「ねえ、お母さん、今ケーキが食べたい!」「もうすぐ夕ご飯でしょ」「やだー、今食べたい!」お母さんとの間でこんな綱引きが起きます。少し大きくなれば「もうすぐ夕ご飯だから、今食べるのはやめておこう」と考えられるようになります。つまり結果予測は後天的なスキルであり、鍛えておかなければ衰えてしまいます。

天氣やご飯ならどちらに転んでもそう大したことにはなりません。しかし「先を考えるのが怖いこと」だと、いきなり思考停止して根拠なく「まだ大丈夫」をやってしまいます。すなわち、問題の先送りです。その場限りの氣休めであり、全く何の解決にもなりません。

どんな人も勇氣に乏しいとこれに陥ります。大事なことは「私はそんなことはしない!」ではなく、「自分もともするとやってしまう」ものだと、見て見ぬふりをしないことです。これもデジタル思考からアナログ思考への一環です。

その自分を受け入れた上で、人間関係であれ、経済面であれ、健康面であれ、「このままが続くとどうなるか」を予測し、まず手始めに自分にやれそうな、かつ効果的なところから取り組む。小さな一歩を決して馬鹿にしないことです。

デジタル思考だと「ない」か「完成」しかありませんので、「どんなに小さくても一歩踏み出す」発想になりません。要はデジタル思考だと、人としての成長が止まり、退化してしまうのです。人間の脳は筋肉と同じで、放っておいて現状維持はありません。

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アナログ思考を鍛えるために ②目的・意図を想像する

自分だけの努力で済むことなら、上記だけでも構いませんが、私たちは人間関係なしに生きていくことはできません。

人間関係におけるアナログ思考とは、わずかな兆しを見逃さないことと共に、相手の目的・意図を想像することが必要です。簡単に言うと、「言葉の額面通りだけ受け取らない」ことです。

デジタル思考は単純化することですから、相手の言葉の裏の意味まで考えず、額面通り受け取り、結果上手くいかないことが往々にして起きてしまいます。ナンパ師のおべんちゃらに舞い上がったり、上司や先輩、友人の少々耳の痛い叱責、忠告にむくれるのも「真意を考えない、単純化するデジタル思考」と言えるでしょう。

相手が「何の目的で、何が欲しくて、何をわかってほしくてこのようなことを言ったりしたりするのか」の真意に思いをはせる、これは頭の体操が要ります。わからない時は人に「どう思う?」と相談できても、納得するのは自分です。

例えば幼い子供がお友達を叩いたとして、それだけを取ってみれば「悪いことをした」になってしまいます。しかし幼い子供が、自分の気持ちを言葉で充分に表現できるわけもありません。叩いたことそのものは良しとはしませんが、「何故、そのようなことをするに至ったのか」を丁寧に解きほぐし寄り添おうとする態度が、アナログ思考です。

大人になると事はもっと複雑になります。例えば「貴方のことを心配しています」と、本当に思いやりのある人はわざわざ口に出したりしません。相手の自尊心を傷つけ、ともすれば罪悪感を抱かせかねないからです。目上の人に向かって「貴方を心配しています」などと言いません。病氣のお見舞いであっても「お大事になさってくださいませ」が礼儀と言うものでしょう。

相手に心配していると悟らせない配慮ができるのが、真の思いやりの達人です。

わざわざそんなことを言ってくる意図は何なのか。「私を悪く思わないで」だったり、「貴方は私の支配下にある」暗示だったり。そしてどんな時でも、言葉ではなく行動にその人の本音は現れます。

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いちいち疑心暗鬼になって勘ぐれ、ということではありません。しかし言葉と行動のギャップに、微妙な違和感を感じる時は、相手の意図を想像してみると「まだ大丈夫」の罠にはまらずに済みます。「人のことを疑う、悪く思うのは良くない」という思い込みがあると、そこに隠された嘘偽り、ごまかしを見て見ぬふりをしてしまいます。嘘は相手を傷つけないための嘘とか、バレても水に流してもらえるようなこと(本当は寝坊したのに、恥ずかしくて「電車が遅れて・・」と言い訳するようなこと)でない限り、碌な結果を生みません。

行動に移す人はきれいごとを言いません。また「○○したい」「○○(愛、平和、家族等)が大事だ」とは言わずに、黙って行動に移しています。行動に移すということは、その途端に「0と1の無限の間」に直面するということです。「人を思いやるって、難しいですね」とぽろっと言うことはあっても、殊更に「人を思いやりましょう!」とアピールしたりしないのです。

危機管理はわずかな異変を見逃さない習慣と「もう元には戻らない」見極め

この誰も経験したことがない動乱の時代に、既存のノウハウは通用しません。各自の危機管理能力を高めるしかないのですが、危機管理能力とは「わずかな異変を見逃さない」「的確な判断選択」「小さな行動に移す勇気」などが挙げられるでしょう。

平時ではいわゆるノウハウ的な実学でも間に合います。それを教えてくれる本やセミナーがたくさんあります。しかし危機に際してはそれらはほとんど役に立たず、それまでに如何に自分がアナログ思考を鍛えていたかが問われます。

そして冒頭に挙げたアフガン脱出のような、「いよいよ最後の絶体絶命の時に自分がその場に居合わせない」ためにも、状況を見極める力が非常に重要になります。状況の矢印がどちらの方向に向いて、それは元に戻るのか、戻りそうにないのかの見極めです。

コロナワクチンについても、2020年の6月ごろだったと記憶しますが、当時の安倍首相が国民全員分のワクチンを税金で買い付けると発表した際「これはおかしい」とすぐにわかりました。発生から半年たたないのに、既にワクチンが用意されていること自体、異様なことです。そして国家権力が決断した以上、この流れ自体を止める術はありません。

そして海外ではワクチンを接種しなければ飛行機に乗れなかったり、老人ホームで接種した高齢者がバタバタと亡くなっている等の情報が、2020年の暮れごろからネット上で伝わってきました。日本でも「企業内で実質強制接種になるのではないか」とそのころ既にささやかれていました。このコロナ騒動の目的が、感染対策を口実にした人権弾圧と、ワクチンによる大量虐殺であることは、特に海外からの情報収集をしていればよくわかりました。

その時から「どうやってワクチンを拒否するか」「拒否できない場合は、思い切って退職し、新たな職を見つける」方途を模索していた人は難を逃れられています。これもアナログ思考です。

デジタル思考だと「まだ大丈夫」をやりますから、充分な情報収集をする間もなく、「みんなしているから」と理由にならない理由で打ってしまいます。同調圧力ほど何の理由にもならないくだらないことはありません。

人間関係においても「もう元には戻らない」「自分が望む方向には行かない」見極めを、どの時点で行うかです。相手が生身の人間だと、簡単にバッサリ切るのも忍びなく「もしかしたら・・」と望みをつなぐものでしょう。あきらめきれない思いがあっても当然です。

しかしいつまでも望みをかけることが、常に良いとは限らず、「思い切って立ち去る」ことがお互いのためということもたくさんあります。それも完全に関係を断ち切るばかりでなく、精神的に距離を置く、関わり方を変える、減らすというアナログ思考があると、自分を追い詰めなくてすみます。

動乱の時代を生き抜く、生き延びるためには、上記に挙げた危機管理能力、その中でも勇氣が必須です。これらは「どうしたらいいんですか?」とか「TVが、会社が、行政が、みんながそう言ってる、してる」の「自分の外側に正解を求める」態度ではなく、人の話をヒントにしつつ、自分で自分の脳を柔軟に鍛える、デジタル思考からアナログ思考へがあってこそだと思います。

【音声版・自尊感情を高める習慣・6回コース】

1回約20分、6回コースの音声教材です。

第1回 自尊感情とは何か。何故大事か
第2回 全ての感情を受け止め、否定しないことの重要性
第3回 「何が嫌だったか」を自分に質問する。目的語を補う
第4回 期待通りに成らない現実を受け入れざるを得ない時
第5回 小さな一歩を踏み出す・最低限のラインを決める
第6回 人生が変わるのは知識ではなく氣づき

第1回目は無料で提供しています。まず一週間、毎日聴き、ワークに取り組んでみて下さい。その後更に日常の中で実践してみたくなったら、6回分の音声教材(税込5500円)をご購入下さい。

🔗第1回・要約・氣づきメモ

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    生きづらい貴方へ

    自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。