自尊感情を高める7つの習慣② 慢性的に疲弊する無理無駄のパターンとは

その不快は繰り返され、自分が疲弊していないか?

「どんな不快な感情も感じてOK」が出来るようになったら、次の段階では不快な感情を感じっぱなしにとどめるのではなく、向き合っていく作業が必要です。

不快な感情は、自分の期待通りに物事がなっていない時に感じます。そしてその期待を、通常人は意識していません。

日本にいれば、電車が遅れたことにイライラするのに、外国ではそうならないのは、期待値が下がるからです(「外国だし、そんなもの」)。愛情ある叱責は、相手に期待しているからであって、期待しなくなればわざわざ自分が憎まれ役を買ってでも相手を叱るなどという、エネルギーの要ることはもうしなくなります。

ですから思うようにならないことに期待して、不快な感情を感じる、そのすべてを変えなければならないわけでは勿論ありません。右から左に流してしまえる、すぐに忘れるようなことはそのままでいいですし、「諦めずに、期待を持ち続ける」ことが必要なケースもあります。

再々繰り返し、自分が疲弊し、そして「自分は自分で良い」という自尊感情が下がっていないかどうかです。大事なことを大事にできていないと、そこには無理や無駄が生じています。

例えば以下のような「慢性的に自分を疲弊させる」パターンに、自分が気づくことが大事です。

目先の波風を立てたくないばかりに、つい自分から相手に譲ってしまう。

「誰も自分のことなど気にしていない」と頭ではわかっているのに、「人からどう思われるか」とビクビクしている。

他人と自分を比較ばかりして、気が休まらない。

これらのパターンは、他人が教えてくれません。自分の不快な感情に向き合ってこそ発見できます。そしてこれらは「大事ではないことに自分から振り回されている」からこそ、自分が消耗するような疲労感が溜まっています。

別の角度から言えば、「実現困難なことであっても、独りよがりではない、自分や社会全体にとって大事な譲れないこと。譲ってしまえば自分を否定すること」であれば、どんなに傷ついたり疲れたりしても、なくす必要は決してありません。その場合は「自分一人で抱え込まない」「すぐに結果を求めすぎない」など新たな考え方を足していくことが必要になるでしょう。

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本当に大事なことに打ち込んでいる場合は、思うように事が進まないことに疲れはしますが、「予想より現状は厳しかった」「諦めるべきところは諦める」「違うやり方を考えてみる」など建設的に向き合えると、自尊感情が下がることはありません。

「私は何を恐れているのか?」

上記の例に挙げたことは、全て恐れが動機です。人の行動の動機には二つしかない、愛か恐れかだ、と言われます。そして愛が動機であっても、怒りや悲しみとして表現されたり、恐れが動機であっても、媚びや迎合の愛想笑いとして表現されることもあります。表面的な事象を鵜呑みにしない、本質を見極める洞察力を磨いていくと、どうでもいいことに振り回されることが減っていきます。

恐れは本能から生じるので、生まれてから死ぬまで消えません。そして勇気のないところに愛の発露はありません。ただの気持ちの優しい「いい人」であるだけでは、自尊感情豊かな人とは言えません。エゴから生じる恐れを克服し、勇気を養う意義はここにあります。

私たちが何かに恐れている時、何に恐れているのか正直に向き合い、自分に問うことが肝要です。上記の例で言えば

相手に譲らなかったら何が起きると恐れているのか。

誰にどのように思われたくないのか。仮に或る人に「悪く」思われたら何が起きるのか。

人と比較することで、どんな安心を得ようとしているのか。

などになります。

「私はダメだ」が多い人は、子供の頃テストのやり直しをしていない

「私はダメだ、ダメだ」の自分にダメ出しが多いクライアント様に、「子供の頃、テストのやり直しをしましたか?」と尋ねると、今のところ100%「やっていない」と答えます。

「自分はダメだから、馬鹿だから、テストが〇点でも仕方がない」ことにして、テストのやり直しをせずに放り出す方が楽なのです。それは例えば「あの人は特別だから、私とは違うから」「私が何かしたところで、どうせ何も変わらない」ことにして、最初から逃げてしまうのと相似形です。

テストで間違った箇所について、うっかりミスで間違えたのか、そもそも(分数や図形の公式や、熟語の読み方などを)理解できていなかったのかを正直に見て、やり直しをするのと同じです。そうやって向き合う方が、「最初から何もかも完璧にはできない自分」をごまかさず、投げ出さず、粘り強く接していく手間暇とエネルギーが要ります。

これは上記の「相手に譲らなかったら何が起きると恐れているのか」を例に取ると、「譲らなかったら『面倒な人』『わがままな人』と思われるかもしれない。人間関係がギクシャクするのを避けたい」と、まず自分の本音を掘り下げます。この自分の本音に、良い悪いはありません。今の自分がそれを恐れている、という事実に過ぎません。

そして「『面倒な人』『わがままな人』と思われないように、丁寧に、理由を添えて、場合によっては代替え案を出して相手に交渉するスキルを身に着ける」「それでも相手が自分を悪く思ったら、仕方がない。それは相手がそういう人だと割り切る」こうした努力が「テストのやり直し」に該当します。そしてこれらのことが、自分の取り組む課題となります。

問題と課題は異なります。問題は「今起きている困ったこと」、課題は「問題解決のために取り組むこと」です。課題にまで掘り下げると、自分が何かをしなくてはならなくなったり、自分の考え方を変えるか、或いは新たな考え方を付け加えるかをしなくてはならなくなります。それが面倒だと、人は「問題だけに意識が向きっぱなしになり、自分や相手に不平不満だけを言いつのる」ことに終始してしまいます。

当然のことながら、自分は何もせずに不平不満を言いつのることに終始していれば、自尊感情が下がりこそすれ、上がることはありません。心理セラピーはいつでも誰に対してでもできるわけではないのは、こうした理由からです。

質の良い質問を厳選して自問する習慣

人生の質は、自分にしている質問の質で決まると言われます。人間の脳は、一回自分にした質問の答えを探し当てるまで、検索をやめません。自分にしている質問が、自尊感情を下げてしまう、無理無駄な質問になっていないか(「もし~だったらどうしよう」「どうして~してくれないの」など)、もしそうであれば注意深く取り除かないと、自分で自分を疲弊させます。これは他人が成り代わってやってはくれません。

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質の良い質問を、厳選して自分にする。これについては「自尊感情を高める習慣③ 目標ないと心が振り回される3つの理由」で詳述しています。

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この客観視と質問の取捨選択の習慣が、自分の心のエネルギーを無駄にさせず、結果自分も周囲も良い方向へ導いてくれます。但しこれも、自分が実践し、実感しないと本当のところは中々腑落ちしません。

まずは自分が感じている不快な感情が、慢性的に自分を疲弊させ、無理無駄が生じ、自尊感情を下げるパターンから生じていないかどうかに気づく。このプロセス自体が、あるがままの自分を正直に見て、大切に扱うことなのです。

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自尊感情を高めるとは、自分を大切にすることと言い換えても良いでしょう。
「でも、具体的に何から始めたらいいの・・・?」の声にお応えして7日間のレッスンにまとめました。

《レッスンの一例》

● 体の声は心の声・体の状態に耳を傾ける
● 望まない人間関係に心の中で「No」を言う
● 「今・ここ」を生きるための自分への質問

Pradoの心理セラピー・セッションでお伝えしている内容を含んでいます。

どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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生きづらい貴方へ

自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。