うつなどによる長期休職

うつの方への接し方の6つの心構え(ご家族や職場の方へ)

①「心の中で起こることをジャッジせずに受け止める」をまずご自身から

うつなど長期間の心の悩みを抱えている場合、身近な方たちの接し方も非常に重要になります。
大切な家族や仲間であればこそ、良くなってほしいと願うのはもっともなことですが、同時にそれがプレッシャーをかけてしまうのではないか、というジレンマが生じることがあります。

身近な方こそ、共倒れを避けるためにも、心の状態を意識的に整えることが必要になるでしょう。
まずは「心の中で起こることをジャッジせずに受け止める」をまずご自身から始めて頂ければと思います。自分に許可していないことは、他人にも許可できないからです。

参考:自尊感情を高める7つの習慣① 「ネガティブな感情を受け止める」

これが自分自身にできてこそ、「うつ状態そのもの」を良い悪いの判断抜きに「ただ、今はそうなんだ」と受け止めることが出来ます。

②ご本人がまだセラピーを受けられない段階も

体の病気やけがは、ご本人が医師の診察を受けなくては治療できません。
しかし心のことを同じように捉えてしまうと、ご本人の今の状態を否定することになりかねないので、注意が必要です。

そしてまた、体の病気やけがも、医師や薬や処置が治してくれるのではなく、それらを使ってその人本人の治癒力が治しています。
どのお医者さんや看護師さんに訊いても、口を揃えて「患者本人が治す気がなければ治らない」と言っています。

心のことは尚更です。

人はどんな人も「自分がやりたいことしかやらない」のです。「嫌々やらされた」と感じても、何かと天秤にかけて、どんなに不本意に思っても結局は自分がそれを選んでいます。

自分の中の何かを「変えたい」と望む段階になるまで、周囲が待つことも必要です。そしてただじっと待っているだけではなく、「環境を整える」積極的な待ち方もあります。

参考:セッションをお引き受けできないケース

③ 周囲が責任を持てるのは環境づくりまで

①の「心の中で起こることをジャッジせず受け止める」を裏から言うと、何をどう感じるかはその人の自由であり、自由ということは責任でもあります。

私たちは相手を喜ばせたいとか、良い印象を持ったもらいたいなどと思い、その努力をすることはできますが、相手にどう感じるかを強制することはできません。
ただ想像力を駆使して、「その人が望むであろうこと」の環境を整えることが出来るだけです。

そして私たちは「できないこと」に責任を持つことはできません。雨の日の来客のためにタオルを用意したりなどの配慮はできますが、雨が降ったことそのものをわびることはできません。

「家族がこんな風になったのは自分のせいじゃないか」などと不要な罪悪感を抱くと、それがご家族にも反映され、罪悪感のスパイラルに巻き込まれてしまいます。

全ての人はその時の最善を尽くしています。うつの状態も辛いこととはいえ、生き延びるためのその時の最善の結果です。ご家族がご自分を責めてしまうことは、ご本人様を責めてしまうことになりかねません。

「これまでとは違う選択肢」を増やし、新たな環境を整えていくための努力をすることと、自分を責めることとは全く似て非なることなのです。

④前向きになってほしいと思うのは自然なこと、しかし

「主人の(妻の、子供の)うつがよくなってさえくれればいい、それ以外のことは望まない」・・家族が幸せになってもらいたいと願うことと、「自分の幸せは家族の状態次第」とは分けて考える必要があります。

「自分のうつのせいで家族に辛い思いをさせている」とご本人が受け取ってしまうと、「治らないのならいっそ自分はいない方がいいんじゃないか」と追い詰めてしまうことがあるからです。

人生を前向きに生きている人を見るのは多くの人にとって気持ちが良いもの、そしてうつ状態は「そうなりたくてもなれない」状態のことです。

前向きに生きるかどうかも、自分にしか選択できないのであれば、ご家族のうつ状態を「降りかかった災難」「問題」と捉えるか、「チャレンジ」「自分の世界地図を拡げる機会」と捉えるかを選ぶこともできます。

大病を乗り越えた人たちは口を揃えて「あの経験がなければ今の自分はなかった。人生にとって不可欠な出来事だった」と言います。そして恐らく、それを支えたご家族も同じ思いでいることでしょう。

⑤「自分と他人の境界線」を引き直す習慣はご家族にこそ

家族、特に親子は潜在意識同士が繋がりあっていますので、良くも悪くも影響を受けやすいです。
だからこそ、顕在意識を使って「どのような状態になっていたいのか」を考える習慣が不可欠になります。
どんなに家族を心配していたとしても、共倒れになることを誰も望みはしないでしょう。共感と共倒れは全く違います。

ご自身の不安や心配に振り回されず、押しつぶされず、かといって押さえつけるのでもなく受け止めながら、心を立て直し続ける習慣が必要になります。これが「境界線を引く」ということです。

消防士もレスキュー隊も人助けが仕事ですが、まずは自分の身の安全を確保することが第一義務です。「わが身を犠牲にして」はヒロイズム、自己満足に過ぎません。

家族といえども「その人になり代わって」人生を生きることはできません。なり代われないことそのものが寧ろ、突破口を開くきっかけになります。人は「背水の陣に立たされないと」中々自らを変えようとはしないものだからです。
境界線を引く、とは自分のためだけではなく、結果的に相手のためにもなります。

参考:自分と他人の境界線 

⑥「どんな人にも復活力は備わっている」を信じる

人間の持って生まれた能力はそれほど大差がない、と言われています。大病を乗り越えた人、何億円もの借金を返した人も、実は私たちと地続きです。その能力が開花するか否かは、意識の使い方次第です。

つまり、どんな人にも復活力は備わっています。

どんな赤ちゃんも、周りがやいやい言わなくても、大人とは比べ物にならないスピードでぐんぐん学習し、成長します。
どんな人も「自分の世界を開きたい、より大きな世界へ踏み出したい」欲求は潜在的に持っています。今はそれを忘れていたとしても。

周囲ができる最善のことは「よってたかってこの潜在的欲求をーアドバイス、お節介、手出し口出しをしてー潰さない」ことです。
相手が望まないうちにアドバイスをする、相手のためではなく自分の安心のために余計なお節介を焼くことは、こちらは善意のつもりであったとしても結果的に相手の自尊感情、つまり復活力の土台を著しく傷つけます。

今はご家族の、もしかするとご自分自身の復活力を信じられないのなら、信じられる自分になることが、うつ状態のご家族にとって最も望ましい環境の整え方になります。

心理セラピーは、うつ状態のご本人様でなく、ご家族に受けて頂いても充分に効果がある理由です。

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