自尊感情にまつわるコラム

被害者にならないとは相手を加害者にさせないこと

「味を占めさせない」ことに躊躇していませんか・・・?

いじめや嫌がらせをしてくる人、境界線を乗り越えて自分のエゴを通そうとする人に適切にNoを言うこと。これも自尊感情を高めるために不可欠な態度です。

しかし「悪く思われたくない」「逆切れされるのが怖い」という恐れがあったり、低い自己価値感を埋め合わせるために自己犠牲を払う癖があったりすると、ずるずるとなし崩し的に味を占めさせてしまいかねません。

自分が被害者にならない、なったとしてもかすり傷程度の段階で、さっと距離を開けられるようになること、これは自分のためだけではなく、相手を加害者にさせないためでもあります。

これが心底腑に落ちている人ほど、「境界線を超えさせない」ことに余計な罪悪感は感じず、躊躇もしません。

この余計な罪悪感を感じなくなるための、考えるヒントです。

「自己犠牲を払ってくれるかが愛のバロメーター」の人

自分の寂しさや不安などの不全感を、自分で埋め合わせる習慣が身についている人は、相手の限界を超えさせてまで、愛情を欲しがろうとはしません。

例えば深夜の長電話にいつまでも付き合わせず、「明日も仕事でしょう?じゃあ、おやすみ」と相手を思いやり、適当な時間に切り上げることができます。

しかし、「他人は自分の不全感を埋め合わせる緩衝剤」くらいに思っている人も少なくありません。「私を愛してくれるのなら、あなたが寝不足でふらふらになっても電話に付き合うのが当然」

相手がどれだけ自己犠牲を払ってくれるかが、愛のバロメーターだと勘違いしています。もちろんこれは、エゴでしかありません。

こうしたことは大抵「最初は小出しに」しかけてきます。しかけられた方は、「まあ、このくらいなら」と少々のことだと目をつぶりがちです。それに付け込んで徐々にエスカレートしていきます。

境界線を超えさせないためには知識だけでは不十分

何故このようなことが起こるのかの心理的な理由や、また対処方法などがネットに頻繁に記事にされています。弊社のサイトもそうです。それだけ悩んでいる人が多い証拠でしょう。

これらの記事は、弊社のものも含めて、起きていることの整理には役に立つでしょう。しかし、頭の知識だけでは不十分です。

自分の今の限界を超えない、超えさせない、相手のことは相手に決めさせ、責任を持たせる、これらを瞬時にできることが必要です。そしてこれは知識ではなく、日々の鍛練で養い育てるものです。

サイトの記事や本やセミナーでの知識をいくら集めてみても、自分自身の課題と向き合い、思い込みを変え、実践して身に着けない限り、同じことは続いてしまいます。

長電話の例だと、例えばですが
「私と仕事とどっちが大事なの?愛してるなら電話に付き合ってくれるはずよ!!」
「そう思ってる?それは君の考えだよね。愛しているなら電話に付き合う人を選ぶかどうかは、君が決めることで、僕が決めることじゃないよね。
僕は仕事も恋愛も両立できる人と付き合うと決めてるよ。だから切るね、おやすみ」

このように、常日頃から「自分がどうしたいか、どうするのか」の自己決定をしていればこそ、相手にもそれを促せます。

境界線とは自分の責任と限界と価値観

ここでの境界線とは物理的なものではなく、心に関することです。

自分と他人の境界線・より明確にする3要素とは

境界線の中身は、「責任を負えるか」「どこまでが自分の限界か」「何が大事か」です。これらは自尊感情を支えるものでもあります。

そして他人がこれらを超えて浸食しようとしてきたとき、人は不快な反応を感じます。ただし常日頃から、自分の不快の反応にOKを出しておかないと、境界線を超えられたサインを見逃してしまいます。

このサインを客観視して受け止めることにも訓練が要ります。

特に「どこまでが自分の限界か」はその時の状況や、相手によってもどんどん変わります。一度チェックシートを作っておけばいい、ということではありません。

長電話の例だと、「相手が電話をしてくる理由と頻度」「こちらのその時の状況」の掛け合わせになるでしょう。翌日休みで、楽しい馬鹿話に興じていいと自分が思っていれば、徹夜で話していてもいいのです。

「自分が悲劇のヒロインになっておきたい愚痴や悪口」であれば、「明日のプレゼンの用意があるから、15分だけ」と最初から釘を刺しておくのも一つのやり方です。

自尊感情が高まれば、境界線を超えさせにくくなり、また逆に境界線を超えさせないことで、自尊感情も高まっていきます。

自尊感情が低いと「それにふさわしい扱い」を受けてしまう

もっとも、最初から「私を愛してくれるのなら、あなたが寝不足でふらふらになっても電話に付き合うのが当然」の人とは付き合わない自分であれば、このようなことは起こりません。

自尊感情が低いと、それに応じた扱いを自分の潜在意識が選んでしまいます。

社会的地位の高い人が、SMプレイの女王にわざわざ大金を払って、自分を痛めつけてもらうということがあります。

「本当の自分はその程度に価値のない人間で、それにふさわしい扱いをしてもらうと、その自分を確認し、安心できる」

DVをする配偶者とむりやり別れさせても、また同じような人とくっついてしまうとか、いじめや嫌がらせに毅然とした態度を取れないのも、実は同じことが起こっています。

互いに自尊心を傷つけあい、精神的にぼろぼろになりながらも互いに執着して離れられない、共依存も同じです。少なくともどちらかが、自己決定と自己責任に裏打ちされた自尊感情を高める生き方を始めない限り、どちらかが死んだあとでさえ続いてしまいます。

人間の悩みの大半は、人間関係だと言われます。これはコミュニケーションスキルだけで、どうこうできるものではありません。コミュニケーションスキルは、その人の自尊感情の発露であり、手段に過ぎません。

まず自分へのダメ出しをやめ、自分を大切にし、自尊感情を高め、どこへ行っても信頼関係を築ける、責任を負える自分になり、その上で自分を粗末に扱われることに毅然とした態度が取れなくては、根本の解決にはなりません。

当Pradoの心理セラピーが対症療法ではなく、場合によっては半年以上かかるのはこのためです。しかし、このことが腑に落ちているクライアント様は「ぶり返す」ことはありません。新たなステージで、新たな課題に直面することはあっても。

被害者にならないのは自分のためだけではなく

自分が被害者にならないとは、別の見方をすれば相手を加害者にさせないことでもあります。

例えば、万引きはその場の出来心のこともありますが、それよりも確信犯の方が多いです。確信犯は必ず下見をしています。
陳列が乱れていたり、掃除が行き届いていなかったり、お店の人が隅に固まって私語雑談をしているお店は、万引き犯にとっては「さあ、万引きしてください」と言っているようなものです。

お店の人の意識が隅々まで行き届き、一歩足を踏み入れた途端に「いらっしゃいませ」とアイコンタクトを取ってくるお店では、万引きはできません。

勿論、法的にも道義的にも、万引きをする方が悪いです。しかしだからと言って、「万引きをさせない店づくり」をしなくていい理由にはなりません。

現実には無理でしょうが、もし日本中のお店が「万引きをさせない店づくり」をいついかなる時もできていたら、万引き犯はいなくなります。つまり加害者もいなくなるのです。

また、詐欺を撲滅するには、詐欺に引っかからない人を増やすしかありません。
暴力団を撲滅するには、法律を厳しくすることも大事ですが、それよりも暴力団が必要とされなくなる世の中を創ることです。

誰も万引き犯や詐欺師や暴力団員に
「それは人の道に反することです!改心するべきです!」
などと説教しようとはしません。

これが自分の人間関係の「困った人」だと、「変わってほしい」「あの人、どうにかして」「ちょっとは反省したらどうなの!?」が出てしまいます。思い入れのある相手ほど、そうしたものでしょう。しかし人は、自分が変わろうとしなければ変わりません。

加害者が自分を恥じて改心する、それを願いたくなるのが人情でしょう。確かに、中には「わが子への虐待をやめたい」とお見えになるクライアント様もおられます。しかし、いじめを受けた側はその傷は後々まで疼き続けるのに対し、いじめた方はその自覚すらない、「いじめたつもりはなかった」は嘘ではなく本当にそう思っているのが現実です。

自分が被害者にならないのは、自分の尊厳と心を守れるのは自分しかいないためでもあります。

それと同時に、万引きや詐欺師や暴力団を生み出さないのと同じように、相手を加害者にさせないという、自分の評価評判とは無縁の愛の発露でもあるのです。

無料ステップメール「自分を大切にする7日間のレッスン」

自尊感情を高めるとは、自分を大切にすることと言い換えても良いでしょう。
「でも、具体的に何から始めたらいいの・・・?」の声にお応えして7日間のレッスンにまとめました。

《レッスンの一例》

● 体の声は心の声・体の状態に耳を傾ける
● 望まない人間関係に心の中で「No」を言う
● 「今・ここ」を生きるための自分への質問

Pradoの心理セラピー・セッションでお伝えしている内容を含んでいます。

どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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