自尊感情にまつわるコラム

人は鏡・相手に自分の何が映っているかの3パターン

「人は鏡」・・「えーっ、私はあんなことしないのに!」

「人は鏡」と言う言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「えーっ!私はあんなことしないのに!」・・・・と私もよく思っていました。

「人は鏡」とは、「自分もその人と全く同じことをしている」ということでは必ずしもありません。

電車の中でマナーの悪い人を見かけたら嫌だな、と思う、こうした感性はその人の品位の表れでもあります。
自分の価値観を明確にすればする程、好き嫌いがはっきりしますので、「嫌だなあ」と思うことも実は増えます。

自尊感情を高める7つの習慣⑥ 価値観を明確にする

それがその時だけに終わらず、いつまでも「嫌な感じ」が残る場合、それは自分の反応ですから、自分自身を振り返る、その出来事に映った自分を見つめ直すことが出来ます。
そういう意味において「人は鏡」と言えるのです。

嫌な出来事そのものが過ぎ去っても、嫌な反応が過ぎ去らない場合、それにはいくつかのパターンがあります。

相手という鏡に自分の何が映っているのか、主だったものを以下に見て行きます。

① それをすることを禁じている自分

例えば、「お掃除をさぼって遊んでばかりいる人」を見ると腹が立つ場合、「本当は自分もさぼりたいけれど、自分に禁じている」ので反応している、その可能性があります。
人は自分に禁じていることを、他人、特に近しい他人が平気でやっていると猛烈に腹を立てます。

お掃除が三度の飯よりも大好きな人は、「お掃除をさぼって遊んでばかりいる人」を見ても「何でこんな楽しい事をやらないの!?もったいない!!」位に思うかもしれません。

勿論だからと言って、自分も同じようにお掃除をさぼっていいわけではありません。
まずは「自分は実は我慢しているんだな」とその自分をそのまま受け止めることが大切です。
我慢している自分が、もっと労わってほしいと訴えている、そのサインでもあるのです。

②自分が嫌っている自分、自分のコンプレックス

人が最も逆上するのは、図星を突かれた時と言われています。
人は知らず知らずのうちに、「都合の悪い自分」「嫌いな自分」を見て見ぬふりしようとしています。

この「嫌いな自分」は相手という鏡にそのまま映る時もありますし、またその裏返しが映る時もあります。

映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で、メリル・ストリープ演じるサッチャー英元首相が、部下の些細な間違いを非常にヒステリックに万座の前であげつらい、罵倒するシーンがありました。

「committee(委員会)はtを二つ重ねて綴るのよ。commiteeになってるじゃないの。あなた小学校からやり直した方がいいんじゃないの!?」
というふうに(うろ覚えなので正確ではないかもしれません)。

そのサッチャーをうんざりした様子で見ている部下達。当然のことながら、どんどん部下たちの心は離れて行きました。

そのシーンを見ていて、私は「自分の嫌いな自分」が映っているようで、いたたまれなくなりました。

自分の中にそうした要素がない人は「嫌だなあ」と思っても、どこか人ごとにように受け取れるでしょう。
またサッチャーが部下を罵倒するにしても、「些細なミスを皆の前で正そうとする」のではないやり方だったとしたら、私は「自分の嫌いな自分」をそこには見なかったでしょう。

嫌いな自分の裏返しが映る例は、例えば自分が口下手であることをコンプレックスに感じている人が、口八丁の人を「なんだあいつは!うまいことばかり言いやがって!」と妬ましく思う、こうしたことがあります。

自分は口下手ではない、と思っている人なら、口八丁の人を「あの人は調子がいいから」くらいに思っても、妬ましくは思わないでしょう。

この場合、まずは「口下手な自分」をそのまま受け止めるところから始めます。
そして口下手な人は、口下手=コミュニケーション能力が低い、と意味づけしていることがあります。

コミュニケーション能力とは、相手が伝えたいことを聴きとる能力と、自分が伝えたいことを相手に「伝わるように」伝える能力のことであり、口が上手か下手かではありません。
口が上手な人の中には「言語明瞭、意味不明」の人もいます。

この反応をきっかけに、今の自分のコミュニケーション能力はどのようなものかを、振り返る機会にできるでしょう。

このように、自分が何にコンプレックスを感じているのか、そしてその中身は何か、最終的にどうなっていきたいのかを考えることができます。

③自分の中の大切にしたい価値観

先の映画のシーンは「物事は正しくあるべきだ」というサッチャー元首相の価値観が反映されていました。

「物事は正しくあるべきだ」という価値観を私も持っていればこそ、それが行き過ぎになったあり様に反応したのだと思います。

物事は何でも両面があります。

どの価値観も、それだけで「間違っている」ものはありません。しかしまた、どんな価値観も行き過ぎになると却って苦しみの種になります。

例えば勤勉は日本人の美徳ですが、行き過ぎると外国の人には理解しがたい「過労死」を引き起こすことがあります。
協調性も同じですが、時には「波風を立てぬよう、本音と建前を使い分ける」ことにもなり、この「本音と建前」にほとほと振り回されてしまう外国人も少なくありません。

また、自分の価値観を大事にするのは当然のことですが、全ての人に理解され、支持されるとは限りません。
自分にとって近しい人が、その価値観と逆行していることをやっていると「何でアンタがそれをするの!」と責めたくなってしまう、そんなことがあります。
自分の価値観をその相手が共有していないと、「仲間を失った」気持ちになってしまうからでしょう。
それが相手という鏡に映っています。

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この場合、「価値観を共有できる仲間ではないが、悪い人ではないから距離を置きながら付き合う」などと自分が切り替えることが必要になるでしょう。

また逆に、相手の中に「素敵だな、素晴らしいな」と思ったものがあったら、それは自分の中の価値観が反応しています。

「ご丁寧にありがとうございます」と言える人は、その人も必ず、丁寧な人です。
「貴方は笑顔が素敵ですね」と言える人は、その人自身も「笑顔でいること」を大切にしています。
「私心なく人に尽くす」態度に感動できる人は、自分もそうありたい、それを大事にしたいから反応しています。
「人を利用してなんぼ」くらいに思っている人は、「私心なく人に尽くす」人を見ても「馬鹿じゃない?何やってるの!?」になるでしょう。

人は自分の中にあるものしか、育てることはできません。他人が外から付け加えることはできません。

自分の中の種が反応している、それに気づくことにより、相手と言う鏡に自分を映し出すこともできるのです。

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