自尊感情にまつわるコラム

良性妬みと悪性妬み・不快な感情をどう活用するか

不快な感情の中でも「妬み」は見栄えが良くない感情

人間の感情は大別すると、快か不快に別れます。
不快な感情は感じてはならない、と思い込んでいる人も少なくありません。

参考:自尊感情を高める習慣① ネガティブな感情を受け止める

しかし、不快な感情の中でも、例えば「しまった!申し訳ない事をした」という謝罪の念や、「こうしたことはあってはならない!」という怒りや悲しみは、その人の良心の表れでもあります。
また不安を感じるのも、それが大事だと思えばこそです。どう転んでも構わないことには、私たちは不安を感じません。

逆に快の感情でも「しめしめ、あいつを騙して上手く行った」だとか「ざまあみやがれ!」などは、余り見栄えの良い感情とは言えません。
見栄えが良くないとは、他人から見て良い印象を持たれない、ということです。

人間の感情には様々な種類がありますが、中でも妬みは、不快かつ見栄えが良くないので、厄介者扱いされがちです。

ただし、「大して実力もないのに、コネで出世しやがって!」などは、妬みのようですが、実際は「コネで出世した」ことが許せない怒りでしょう。
その人が真の実力で出世したら何とも思わないのなら、妬みではありません。

こうしたことと、「相手は何も悪くないのに、こちらが勝手に妬んだりやっかんだりする感情」をここではわけています。
今回はこの後者の妬みについて取り上げます。

仕事や学業、スポーツの「中で」発散出来れば良性妬みに

妬みの感情は不快な感情の中でも、一時的なもので終わらず、「続いてしまう」ものです。
だからこそ、処理を誤るといじめになったり、逆に「どうせ私は・・・」と自己卑下に転じることもあります。これが「悪性妬み」です。
しかし、上手に使えばブレイクスルーのための原動力になります。これを「良性妬み」と言います。

少し前のNHK-BSの「奇跡のレッスン」で、小学生のサッカーチームに外国からのコーチが一週間やってきました。
そのサッカーチームは、一人の少年だけが飛びぬけて能力が高く、彼が何でもやってしまい、他の子供たちは出る幕がなく諦め気味でした。

そのコーチは、よくできるその少年を、皆の前でハグし

「君は素晴らしい!キスしていいかい?」

とほめたたえました。当然、他の子供たちは面白くありません。コーチはそれをわかって、あえて皆の前で彼をほめたのです。

そしてその直後、今度は他の少年たちに彼を徹底的にマークする指導をしました。悔しい気持ちを、この練習の中で発散させたのです。

良くできる少年は初めて苦戦し、その姿を見て他の少年たちは「彼に追いつけるかもしれない」と思い始めます。あきらめかけていた自分たちにも、希望はあると。

そしてその良くできる少年は自分自身で、今度は仲間にパスを出して助けてもらうことを学びます。今まで何もかも自分一人で「やってしまって」いたのに。

一週間後の試合の朝、競技場に向かう車の中で、母親に「何が一番大事?」と尋ねられたその少年は

「チームワーク!チームワーク、チームワーク」

と繰り返していました。

コーチは妬みの感情を、サッカーの中で上手に発散させることにより、良くできる少年も、他の少年たちも、同時にブレイクスルーを起こさせました。

また、漫画の神様・手塚治虫は、実は自分よりも若い、才能のある漫画家たちに大変嫉妬していたことが知られています。
自分を追い上げてくる後輩たちが、新たな境地を開くと、自分も負けじと新たな分野に果敢に挑戦しました。

例えば手塚作品の「どろろ」は、水木しげるの妖怪漫画に、「ノーマン」は石ノ森章太郎の「サイボーグ009」に触発されたものだと言われています。
もし、手塚治虫が水木しげるや石ノ森章太郎の才能に嫉妬しなかったら、「どろろ」や「ノーマン」は生まれていなかったかもしれません。

不快な反応をどう活用するか

人間は快は感じたいし、不快は感じたくありません。
自分の物事の受け取り方の幅を拡げることにより、不快な反応が起きにくくする、これも対処の一例です。

参考:自尊感情を高める習慣⑤ 乗り越えた課題から気づきを得る

一方で、起きてしまった不快な反応を抑えつけたり罰したりせずに、活用していく、これも生きやすさのために必要かつ効果的なやり方です。

上記のように、妬みの感情を「自分の殻を破る原動力」にすることは充分可能です。
サッカーチームの外国人コーチは、このことをよくわかっていたのでしょう。

一流と言われる人が安易に愚痴らない理由

ところで、一流と言われる人は、安易に愚痴をこぼさないと言われています。
これには様々な理由が考えられます。

その中でもまず一つ目は、「見ている世界の次元が高い」ため、低次元のことにいちいち目くじらを立てないことが挙げられます。

何を目指して生きているのか、自分自身に対して常に明確にする作業を怠らず、またそれを実現するために限られた時間とエネルギーを費やしたいので、次元の低いことにいちいち取り合っている暇はありません。
ことわざにある「金持ち喧嘩せず」という態度です。

二つ目は、そうは言っても、責任の重さやプレッシャーを感じていないわけではありません。
不安も孤独も相当にあります。彼らも不安や孤独に「快」を感じているのではありません。やはり不快は不快なのです。その意味においては、他の人々と同じです。

彼らは、これらを愚痴と言う形で「発散してしまわない」ことで、エネルギーに変えています。
先の少年サッカーチームや、手塚治虫の例のように、「ブレイクスルーのための原動力」に変えているのです。

ブレイクスルーしてしまえば、少年サッカーチームや手塚治虫と同様、「新たな高い次元」に入ることが出来ます。そうすればもう「元の次元」に戻ることはありません。
元の次元で感じていた「不快」もなくなります。

だから安易に愚痴をこぼすことは、彼らにとってはエネルギーをダダ漏らしにしてしまう「勿体ない」行為なのです。

念のためですが、何が何でも愚痴をこぼしてはいけないわけでは決してありません。こうした人々こそ、自分を客観視する力に富んでいるので、自分の限界を見極めることもできます。
自分の限界を超えたストレスがかかった時は、素直にSOSを出し、他人の力を借りられるのもこうした人々の特徴です。

そしてこのことは、特別に地位の高い人だけではなく、家庭の主婦であろうと、学生や新入社員であろうとー少年サッカーの子供たちのようにーそのつもりになれば誰にでもできることなのです。

社会的に地位の高い人だけが、一流というわけではありません。またよく言われるように、一流と二流の差は紙一重、つまり意識の使い方の差です。
どんな環境に置かれていても、また社会的地や年収、あるいは学歴などとは関係なく一流になっていくことはできるのです。

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自尊感情を高めるとは、自分を大切にすることと言い換えても良いでしょう。
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《レッスンの一例》

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どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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