断捨離が苦手な貴方へ・残した物でどんな未来を創りたいか

「断捨離したい、しなくちゃ、でもできない」

すっきりとした部屋にしたい、でも中々物の処分ができない、そう思いながら何か月も何年もたち、その自分を責めてしまう人は少なくありません。

また「部屋はその人の心を映し出す鏡」とも言われます。心の状態が良い時は部屋が片付き、良くない時は散らかってしまう、多くの人がそんな経験があるでしょう。

しかし、「片づいている=善」「片づかない・物がたくさんある=悪」と意味づけしていると、自分が苦しくなってしまいます。

何故、中々物を処分できないのか、理由は千差万別です。間食や喫煙をやめられない理由が、人それぞれ異なるのと同じです。

今回は「比較的ありがちなケース」を取り上げます。全ての人にあてはまるわけではありません。あくまで、ヒントの一つとして参考にしていただけたら幸いです。

断捨離は何のため?まずは目的を明確に

まず本題に入る前に、そもそも何のために断捨離をしたいのか、振り返ってみましょう。

私たちはしばしば、本来は手段に過ぎないものを目的化しがちです。
どんな人にとっても、断捨離そのものが、人生の目的ではないはずです。断捨離をするために、この世に生まれてきた人などいません。

また私たち人間は、動物と違って物がなければ生きていけません。そしてどんな物も、私たちの生活をより良いものにしていく、その支えに過ぎません。

断捨離も、物そのものも、人生の目的ではなく手段です。

断捨離をした後、残した物を使って、どのような未来を創っていきたいのでしょう・・・?処分することではなく、残した後に焦点を当てます。

手順 断捨離をしたい物のジャンルを挙げる

脳は一般化をしがちなので「とにかく、断捨離をしたい、しなくちゃ!」になりがちです。まず「何を?」から始めます。自分の持ち物のジャンル分けをします。

<例>

  • 洋服、靴、バッグ、装身具(自分・家族)
  • 本、DVD
  • 食器
  • 趣味の道具
  • 子供がかつて使っていた教材
  • 子供が描いた絵、工作

手順 これらの物で、どんな未来を創りたいか

次に、これらの物でどんな未来を創りたいか、ジャンルごとに考えてみましょう。

  • 洋服、靴、バッグ、装身具・・・仕事/プライベート(家の中/外)で、これらを使ってどんな自分を表現したいでしょうか。未来の自分にふさわしい洋服、靴、バッグ等は、どのようなものでしょうか。
  • 本、DVD・・・これらの本があることによって、どんな未来が創れるでしょうか。たとえ読まなくても、「未来を支える」と感じられたら残しておいてかまいません。
  • 趣味の道具・・・これらは自分の人生に、どのようなものをもたらしてきたでしょう。また今後においては、どのような未来を創っていくでしょうか。
  • 食器・・・誰と、どのような場面で食器を使いたいでしょうか。自分や家族のためだけなのか、お友達を呼んでパーティをしたいからなのか。創りたい未来にふさわしい食器とはどんなものでしょうか。
  • 子供関連・・・これらを残しておくことによって、どんな未来が創れるでしょうか。子供が描いたり、作ったりしたものはその時限りのものです。捨ててしまうとどうしても心が痛むものは、どのようなものでしょうか。

手順 「未来の自分」にふさわしくないものだけ、処分する

処分の基準が、使える/使えない、使っている/使っていない、ではなく、「未来の自分にふさわしいかどうか、未来の自分を支えるかどうか」だと取捨選択がしやすくなるでしょう。

例えば、かつて子供が描いた「お母さんの顔」などは、普段は飾ることはなくしまったままかもしれません。飾らなくても「持っていることそのもの」が、これからも自分の支えになる、と感じられたら、充分お役目を果たしています。

誰かからのプレゼントや、形見なども同じで、「持っていることそのもの」に意味を感じられたら、無理に処分する必要はありません。

また例えば、「お友達とパーティをするための食器」であれば、かつては良いと思っていたけれど、今となっては子供っぽく感じるなど、「使えるけれど、未来の自分にはふさわしくない物」が見つかるかもしれません。

手順 それでも迷うものは、期限を決める

「これが未来の自分にふさわしいかどうか」すぐには判断できないこともあるでしょう。
「未来の自分像」が曖昧であればなおさらです。

例えば半年などと期限を決めておくのも一つです。ただし、半年後に「未来の自分像」を明確にしておく、という宿題を課します。そうでなければ、またずるずる伸ばしになるからです。

「未来の自分像」は、日々意識していないと、ずっと漠然としたままです。半年後には判断できるように、「どんな自分になっていきたいか」日々アンテナを立てておきます。

人様に迷惑をかけてないのなら、無理に捨てなくて良いという前提

大量の本があって床が抜けそうとか、隣近所に迷惑がかかるようなゴミ屋敷でもない限り、まず「無理に捨てなくてもよい」という前提に立った方が、事が進みやすいでしょう。

物を捨てると「あー、すっきりした!」と快感を覚える人がいる一方、捨てることそのものにストレスを感じる人もいます。

私たちには、意図的に人様に迷惑をかける権利は誰にもありません。しかし逆から言えば、人様に迷惑がかかっていないのであれば、「何が何でも、こうするべき」というものも、そうはありません。

処分が苦手な人の3つの理由

以下は、物の処分が苦手な人にありがちな、主な理由を見ていきます。

処分できない理由 物に自分の感情が投影されている

処分にストレスを感じる人と感じない人の、一番ありがちな差はこれです。ストレスを感じない人は、物そのものに自分の感情が乗っていないのです。

手に入れた時や、使った時の感情が、その物の上に鏡となって映し出されているので、捨てるのが辛いと感じてしまいます。
しかし、その物は、実はその時の自分を映しているだけであって、本当に大事なのは「その時の自分」です。そして「その時の自分」は、その物にではなく、自分の中にいます。

その物はなくなっても、「その時の自分」は自分の中にいて、失われることはありません。「その時の自分」は自分の中にいる、と感じてみると、感情が分離されやすくなるでしょう。

上記の手順の「持っていることそのものが、これからも自分を支える」物か、「その物はなくなっても、『その時の自分』は自分の中にいる」のか、これも自分にしか決められません。

処分できない理由 「なくても何とかなる」と思えない

物に感情が乗っているわけではないのに、処分できない場合、「なくても何とかなる」と思えていないことがあります。

現実には何とかなるものです。

しかし、何かあった時に「完璧に対処できない自分を受け入れられない。60点でよいと思えない」「誰かに頼るのはみっともない」「『もし~だったらどうしよう』をいつも考えてしまう」だと、「保険」のために処分ができないことがあります。

仕事の資料、パソコンの中のファイルなども、もう使わないとわかっているのに「万が一の時のことを考えて」、いつまでも削除しないなども同じです。

不安が強く、様々な角度から考える思考の柔軟性が不足し、問題解決能力に自信がないとそうなりがちです。
また、「環境は自分が整えるもの」の主体性ではなく、「環境はお膳立てされるもの」と受け身になりやすい人にもよく見られる傾向です。

他にも、数時間の外出なのに、使いもしない荷物をいくつも持ち歩かないと不安、なども同じです。

何かが足りなかったとしても、街中であれば、コンビニやドラッグストアなどで大抵のものは揃います。「コンビニに飛び込んでどうにかする自分」をイメージできないと、いくつも荷物を持ち歩いてしまいます。

常日頃から、問題解決能力を高め、「何とかなる」「何とかする」「何とかできる」自分になっておかないと、同じことが繰り返されます。

処分できない理由 物に囲まれていると寂しさが癒される気がする

物がないさまを「殺風景」と表現することがあります。物がない同じ部屋にいても「殺風景」と感じるか、「すっきりとして気持ちが良い」と感じるかは感覚の差です。
少々物が多くても、それらが上記のように「未来の自分にふさわしい物」であれば、何の問題もありません。

ただ、どう考えても不要な物でも「なくなると寂しい」場合、物に囲まれていると寂しさが癒される気がする、物で寂しさを埋め合わせているのであれば、要注意です。

というのは、これを繰り返すと、知らず知らずのうちに孤独の耐性がまた弱くなってしまうからです。

「寂しいから物で埋め合わせる」⇒「物で埋め合わせている自分は寂しい自分、孤独に耐えられない自分」の暗示を強化してしまいかねないからです。

ただし、無理やり処分すると、自分の寂しさを埋め合わせるために、他の不適切な行動化(過度の飲酒やギャンブル、寂しさを埋め合わせるための不倫など)に出ることがあります。
ですので拙速を避け、バランスを取る必要があります。

自分の孤独に向き合う一方、家族・友人とのコミュニケーションを深めたり、ライフワークに打ち込むなどすると、孤独の耐性が高まるでしょう。
すると、「寂しさを埋め合わせるために物に囲まれる」必要はなくなります。

物にどう向き合っているかも、自分の心の反映

ダイエットや、婚活や、収入アップなどは、そう右から左に達成できるものではないと思えます。
しかし、なまじ断捨離は「すぐにできそう」と思ってしまいがちです。「やったらいいだけじゃない、何でやらないの?」と。

しかし、上記の処分できない理由の、特には、すぐにどうこうなるものではありません。
その上、自分では気づきにくいものです。

ですから「中々できない」と感じて当然です。

その上で、「問題解決能力を高め、『なくても何とかなる』自分になっていきたい」「不用品に囲まれて寂しさを埋め合わせるのではなく、孤独に耐えられる自分になっていきたい」かどうかです。

自尊感情の中身には、問題解決能力や、孤独に耐える力も含まれます。問題解決能力や、孤独に耐える力が高まった結果、副産物として、結果的に「部屋を片づけられるようになった」と後から気が付くこともあります。

そしてそのような自分になるのも、それなりのプロセスが必要です。

ただ、急がば回れで、一旦こうした自分になれたら、の理由で、物を処分できないことは、その後もなくなっていきます。

【音声版・自尊感情を高める習慣・6回コース】

1回約20分、6回コースの音声教材です。

第1回 自尊感情とは何か。何故大事か
第2回 全ての感情を受け止め、否定しないことの重要性
第3回 「何が嫌だったか」を自分に質問する。目的語を補う
第4回 期待通りに成らない現実を受け入れざるを得ない時
第5回 小さな一歩を踏み出す・最低限のラインを決める
第6回 人生が変わるのは知識ではなく氣づき

第1回目は無料で提供しています。まず一週間、毎日聴き、ワークに取り組んでみて下さい。その後更に日常の中で実践してみたくなったら、6回分の音声教材(税込5500円)をご購入下さい。

🔗第1回・要約・氣づきメモ

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    生きづらい貴方へ

    自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。