遅刻と予約の変更が多いクライアント様は結果が出ない、2つの理由

残念ながら全てのクライアント様が結果を出せるわけではありません

病気やけがなどの体の不調があると、私たちは病院で治療を受けます。 その結果治ると、「お医者さんが、薬が、手術が、処置が治してくれた」と思うかもしれません。そんな心情が背景にあればこそ、「あの薬が効く」「あの医者は名医だ」という言葉になるのでしょう。

しかし現実は、その人の自然治癒力が、薬や処置の助けを得て自分を治しています。処方された薬が効くか効かないかは、その人の体との相性に左右されることも多く、実際のところは「やってみないとわからない」もののようです。

私たちはこの自然治癒力を、意識して使うわけではありません。無意識の領域のものです。ですから「自分が治した」と思える人と、そうは思わない人とに分かれるように見受けられます。

最近ではずいぶん減ってきましたが、心のことも同じように捉えて、セラピストが解決してくれると思われる方も、やはり時折来られます。
もし私(足立)が解決するのなら、私の力量は同じですから、どんなクライアント様でもそれなりの結果は出るはずです。

しかし、現実はやはりそうではありません。

遅刻と予約の変更が多いクライアント様で結果が出た方はいません

「可哀そうな私を可哀そうがって下さい」が目的だったり、全てを丸投げの状態だったり、或いは心身ともに疲労が激しく、自分と向き合うだけのエネルギーがクライアント様に充分にない場合は、セッションを中断する判断を下しています。

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そしてもう一つ、遅刻と予約の変更を再々繰り返すクライアント様で結果が出た方はいません。

※遅刻や予約の変更の理由が、心理セラピーよりも当然優先するべきこと(ご自身やご家族の怪我や急病。もしくは仕事上の大きなトラブルなど)、もしくはその時たまたまの不可抗力(電車の遅延など)であれば、問題はありません。
また皆人間ですから、「うっかり寝坊した」「約束の時間の思い違いをした」ことが全くない人は中々いないでしょう。今回はこうしたことではなく、「再々繰り返す」ケースを取り上げています。

遅刻と予約の変更が多いクライアント様は、残念ながら結果を出せない、これには以下のような理由があります。

理由その1「潜在意識に『セラピーの優先順位は低い。つまり”どうでもいいこと”』の暗示が入る」

例えば私たちは「絶対に契約をまとめたい商談相手」「絶対に信頼を失いたくない相手」「クレームのお詫びをしに行くお客様」との約束に、安易に遅れたり予約を変更したりするでしょうか・・・?

こうした相手の場合、「万が一、電車が遅れたり、道路が混んでいたりした時のことを考えて」かなり早めに出発することもあるでしょう。
それだけ自分の人生における優先順位が高いからです。

私たちは意識はしていなくても、何かと何かを天秤にかけて、それを選んでいます。つまり後回しにすることは(「後でいいや」)、理性的な判断とは別に、潜在意識レベルでは「それは優先順位が低いもの」つまり「どうでもいいもの」とされてしまいます。

心理セラピーは、クライアント様とご家族の心身の安全及びそれに準ずることの次に、優先順位が高い状態でなくては効果が出ません。

人間の脳は「どんなに破滅的なことであっても、慣れたことを繰り返したい」かなり強力な特性が万人にあり、心理セラピーはこの特性に逆らうものとも言えます。ですので、クライアント様にも「本当にこれをどうにかしたい」という強い動機が必要とされます。

そしてこれは、他人が強制できることではありません。「考えてもらう」きっかけ作りはできたとしても。

また頭では「どうにかしなくては」と思っていても、心が、潜在意識がセラピーを受けることにまだ抵抗する、その結果として、クライアント様ご本人が意図しなかったとしても、潜在意識が「遅刻や予約の変更をさせる」ことも起こりえます。
この場合、セラピーを受けるための機が熟していない、と判断させていただいてます。

これは「真冬に種をまいても芽は出ない」ためであって、機が熟すまで待つことも大切なセラピーの一環なのです。

理由その2「潜在意識に『自分が決めたことは実現しない』という暗示が入る」

心理セラピーのセッションだけが、遅刻や予約の変更が多いのなら、上記のように「まだ心理セラピーを受ける準備が整っていない」と判断できます。

しかし、心理セラピーだけでなく、他の場面でも遅刻や予約の変更を繰り返しているケースもあります。
この場合クライアント様の課題そのものに取り組む以前に、まずはこれを変える必要があります。

何故なら、遅刻や予約の変更のたびに「自分が決めたことは実現しない」という暗示を、クライアント様が自分で自分の潜在意識に意図せず刷り込んでしまっているからです。

一流の人ほど遅刻をしない、小さな約束を必ず守るのは、勿論相手のためでもありますが、それ以上に自分の潜在意識に「決めたことは実現する」の暗示を刷り込んでいるからなのです。
ご本人は恐らく意識はしていないでしょう。しかし直観的にわかっているのだと思います。

そして逆から言えば、「大言壮語しない。出来ない約束は最初からしない」のも一流の人の特徴のひとつです。

私たちは口ではどんなに良いことを言っても、行動が伴わない人のことを「あの人、口だけよね」などと言ってそう簡単には信用しません。

そして同じことが、自分と自分の潜在意識との間でも起こっています。
約束を守らないと、相手がそれを許す許さないは関係なく、潜在意識が自分を信頼しなくなってしまいます。つまり自分自身で自信を損なってしまいます。

この状態では、どんなに精密な目標設定をしても、潜在意識に「決めたことは実現しない」パターンが入っているので目標が実現することはやはりありません。

そしてまた、「ほらね、やっぱり私はダメなんだ・・・」と自尊感情が低下する、その悪循環が起きてしまいます。

「遅刻や予約の変更をしない」は、クライアント様ご本人が決めてこそ

セラピストはクライアント様にこうした説明はできますが、「だから何が何でも変えて下さい!」と強制することはできません。

世の中には、再々遅刻や予約の変更をすることで相手を振り回し、「支配して自信を得たような気分になりたい」人もいます。ここまでお読みの方の中には、そうした相手にほとほと参った経験のある方も、いらっしゃるかもしれません。

心理セラピーは、クライアント様と私の、心を合わせた二人三脚がやはり不可欠だと実感しています。今は機が熟していない、もしくはこれまで申し上げたことがどうしても受け入れられない方は、無理にご縁を繋がないことも、互いの生き方を尊重することになるのではと考えています。

【音声版・境界線とは「No」を言うこと・流されない生き方のために】


【このような悩みを抱えている方へ】

・適切な「No」を言えるようになりたい。迎合したり、操作されたくない。自分の意志で人生を生きたい。
・流されてしまったことに後悔している人。「もうあんなことは繰り返したくない。自分の子や孫に、同じ過ちを犯してほしくない」「どうやったら流されずに、勇氣を持って断れるようになるのかを知りたい」

【音声教材を聴くことによって得られる効果】

・何故「No」を言うことが大事なのかが再確認でき、やりやすいところからチャレンジできる。
・「No」を言うために必要なこと、限界設定、責任、結果予測、選択肢を増やす等、「遅い思考」を鍛える意義がわかる。
・親に反抗できなかった人は、親(大人)の言いなり良い子になることをやめる決意ができる。自分と親の関係性を見直すきっかけにできる。
・日常の中で小さな「No」に躊躇しなくなり、「他人にどう思われるか」ではなく「自分がどうしたいか」「何が責任を果たすことなのか」で物事を取捨選択し、たとえ結果が思わしくなくても、「自分が選んだ」ことそのものに対しては自負を持てる。

【全6回のテーマ】

第1回  結果を負うのは自分しかいない。「No」を言わなければ「Yes」と言ったと見なされる (約17分・無料で公開します)

🔗第1回 要約・氣づきメモ

第2回 「No」を言いづらい時、何を恐れているのか (約17分)
第3回 「人は安心の名の下に自由を手放す」責任と結果予測 (約14分)
第4回  速い思考と遅い思考・現実を見ることと選択肢を広げること (約18分)
第5回  思春期の頃、親に対して「うるせえ!クソジジイ!クソババア!」と言えましたか? (約15分)
第6回  境界線の内側には良いもの、外側に悪いもの・境界線は真の自由と自立のために (約16分)

5500円(税込み)振込み手数料はお客様負担になります。

まず第1回を試しに聴いて頂き、ワークに取り組まれた後、「もっと勉強して実践したい」方は、以下のフォームにてお申込みくださいませ。
振込先の銀行口座をメールにてご案内します。お振込み確認後、URLとパスワードをメールにてお知らせいたします。

もし、お申し込み後2、3日経っても、弊社からのメールが届いていない場合は、受信メールのゴミ箱に入っていないかご確認くださいませ。
やはり届いていない場合は、大変お手数ですが、弊社へメールかお電話にてご連絡くださいませ。


    ※「音声版・自尊感情を高める習慣」のご案内は、こちらのリンクをご覧ください。
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