大事を為す人は小事を軽んじないのは
どんな人にも、「今はこれをしなくてもいいのに!」とわかっていても、つまり頭で判断できていても、ついネットサーフィンやゲームをしてしまい、夜更かしをしたり、締め切りに間に合わなかったり、といったことがあるでしょう。
「頭じゃわかってるんですけどねえ・・・(でも心、つまり潜在意識がいうことを聞かない)」が、人間の悩みのひとつです。
潜在意識には様々な特徴がありますが、最大の特徴は「判断ができない」ということでしょう。潜在意識は事の善悪、軽重の判断が出来ません。極端に言えば1円と1億円の差が潜在意識にはわかりません。「お金」としかわかりません。
ですので、事の軽重がわからない、これを上手に活用し、自尊感情を高めることができます。
例えば、お金持ちほどケチ、と言われますが、実際にはケチではありません。ここぞと言う時には糸目をつけずに大金を払えるのも本当のお金持ちの特徴です。ケチではなく、1円たりとも無駄にしないようにしています。
1円であっても1億円であっても、お金には代わりありません。1円を大事にできてこそ、1億円も大事にできます。1円を粗末にする人が、1億円を大事にできるわけはないのです。
これを応用すると、大事をなす人は、小事を決して軽んじません。
「こんなこと、誰でもできることじゃないですかあ~」と、ゴミ捨てやお掃除を軽んじる人が、大事を任されること、つまり重要な役職に就くことはないのです。
潜在意識には「有」か「無」しか入らない
他にも例えば、遅刻をしない、身だしなみを整える、はきはきと挨拶をする、メールの返信が早い、など、仕事ができる人は共通して、こうした特徴があります。これは日々の小事を大事にすることが、自分は「事」を大事にしているという暗示を、自分に入れているのです。
潜在意識には事の大きい小さいではなく、「有」か「無」しか入りません。
人生に変化を起こすためには行動が必須ですが、多くの場合、この行動を「大きく考え過ぎて」最初の一歩が中々出ません。
当Pradoの心理セラピーでは、必ず「小さな」宿題をだすのは、潜在意識の中に「有」を入れ続けるためです。
またどんな分野でも「意識づけが大事」「氣持ちのあり方が大事」と言われるのは、意識づけをすれば小さな「有」を入れ続けられるからでしょう。
潜在意識には「有」か「無」しか入らない、どんなに小さくても「有」であれば、「今日何かをした」と潜在意識は受け取ります。「無」なら「無」のままです。多くの人は「こんな小さな事」と馬鹿にして行動に移さないので、中々変化が起きないのです。
全く何もしなかった時と、例えば企画書のタイトルだけ今日は決めた時と、或いは部屋の掃除でも、全く何もしなかった時と、玄関だけ、トイレだけやった時と、事の大きさの差は0と0.0001位かもしれなくても、気持ちは全く違うものです。氣持ちとは感情、つまり潜在意識です。
「こんな小さなこと、面倒だから明日でもいいや」と私たちはつい頭で考えて、先延ばしにしがちです。
それを少しこらえて、30秒でも、15秒でも行動に移す。すなわち「有」を潜在意識に入れ続けると、確実に何かを積み上げたという手ごたえを得られます。
私たちは、自分で自分を承認するのではなく、他人からの承認を求めて回りがちです。しかし、日々の小さな行動以上に、「私は『有』を積み上げた」と実感できるものはありません。
また行動だけではなく、自分の小さな変化をキャッチすることも同じです。2回目以降のセッションの冒頭に、前回の振り返りを行い、「どんな変化や氣づきがありましたか?」と必ず尋ねます。どんな小さな変化であっても、出来るだけ多くキャッチできる人ほど、その後の変化が早いです。潜在意識が「わかってくれた!」と喜ぶので、ますます協力しようとするからです。自分を大切にするとは、自分の変化に敏感になってあげるということでもあります。
繰り返しになりますが、小事を大事にする意義は、こうしたことにあります。