「惚れさせる」ことが目的の人には近寄らない

「異性を自分に惚れさせる」だけが目的の人

世の中には「ターゲットにした異性を自分に惚れさせる、氣を引く、好きにさせる」けれども責任のある関係づくりはしない人がまま存在します。
男性が女性をのケースが多いですが、女性が男性を、もないわけではありません。

人間の心理には「好意の返報性」という、好意を寄せてくれた相手を自分も好ましく感じる働きがあります。

お店の人がお客さんに笑顔で愛想よくするのは仕事の一環で、客である自分を殊更に好きなわけではないとわかってはいます。ですが、やはり愛想の良いお店の方を好ましく思うのは自然なことです。

また、芸能人に直に接した時、その芸能人が大変愛想がよく、優しく親切にしてくれて益々ファンになった、という経験がある人もいるでしょう(全ての芸能人がそうだ、というわけではありません)。

お店の人も芸能人も、言葉は知らなくてもこの「好意の返報性」の力をよくよくわかっているのです。

お店の人や芸能人がお客さんに愛想良くするのは仕事のうちだ、とこちらもわかっています(ティーンエージャーの中には、「あの芸能人は私を好きなんだ!」と舞い上がってしまう人もいるかもしれませんが)。

ただこれがプライベートで異性がからむと、ことは少々厄介です。
こちらが真面目に、心と心が通い合った関係を築きたいと望んでいても、その真面目さにつけこむ人は少なくありません。

氣のあるそぶりをしてみたり、或いははっきりと「好きだよ」「かわいいね」と口に出しても、責任の伴った行動をしていなければ「責任のある関係づくり」をする氣はない、と判断してよいでしょう。
何故なら、人間の本音はいつでも行動に現れるからです。

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こちらから誘わなければデートをしない、こちらからメールをしなければ返信がないのは「今はその氣がない」か「惚れさせておきたい」かのいずれかです。

「その氣がない」場合、真に誠実な人ならそれとなく距離をあけたり、やんわりと断ろうとしたりして、いつまでも氣を持たせるようなことはしません。
それは残酷なことだとわかっているからです。

特に氣のある素振りをしてみせながら、相手から「誘わせようとする」、誘われないとあからさまに不機嫌な態度を取る場合は要注意です。好きな人を悪く思いたくないのが人情なので、「彼はシャイなのかも」などとかばいたくなるかもしれません。

しかしシャイなのではなく、「自分が責任を負いたくない」「だってお前が誘ってきたのだろう」にしておきたい人も少なくありません。相手が根負けするのをひたすら待っているのは、シャイでもなければ、まして愛情でもなく、自分の支配欲を満たしたいだけです。「根負けするのをひたすら待つ」態度は人心操作の典型であり、自己中心性の現れです。

愛情の飢餓感を、自分が自分に向き合うことではなく、支配欲を満たして埋め合わせようとする、人間関係のトラブルはほぼこれが動機と言っていいかもしれません。

お相手も「(貴方との)交際に踏み切っても良いか」と迷うこともあるでしょう。なので拙速を避けることも大切です。
しかし例えば、3ヶ月なら3ヶ月と期間を区切り「自分が精神的に追い込まれない」ように限度を決め、自分を守る、これは自分にしかできません。
「本当に誠実な人なら、3ヶ月もどっちつかずの態度を取るだろうか・・・?」と自問するのも効果的です。

全ての人が学んではいない「信頼関係のかけがえのなさ」

「惚れさせる」ことが目的の人は、お相手が自分に惚れること、愛情を注いでもらうこと、そしてあわよくば体の関係に持ち込むことが欲しいのです。お相手との心の通い合いが欲しいのではありません。退屈を紛らせてくれるおもちゃを欲しがる子供と一緒です。

お相手に飽きたり、少々自分の都合の悪いことが起きたら、いきなり音信不通になるなど、関係を投げ出すことも非常に多いです。幼児がおもちゃに飽きたり、おもちゃが壊れたら、いきなりそっぽを向き、別のおもちゃで遊ぶのと同じです。そしてまた自分が寂しくなったら、別の異性に同じゲームを仕掛ける、独身だろうが結婚していようが延々とそれを繰り返す人は世の中にいます。

そしてこうしたゲームを繰り返す人は繰り返すし、最初からしない人は決してしません。

特に男性は、バレンタインデーに義理でもチョコをもらうと喜ぶ、そうした「異性にモテる(と思えると)と単純にうれしい」人も多いです。「モテたい」からファッションや身だしなみに氣を配ったり、太らないように注意したり、そのこと自体は決して悪くはないでしょう。

しかし、品位、矜持、自尊感情が豊かであれば「惚れさせるゲームを仕掛ける」ことは、恥ずかしく思うものです。そのようなことをする自分に耐えられません。

人間の潜在意識は「どこを切っても金太郎」の金太郎飴になっています。
よく言われるように、「仕事が出来る人は家族も大事にする」のはこのためです。
仕事が出来るとは知能の高い低いではなく(頭の良し悪しはおまけのようなものです)、信頼関係です。
職場の人を大事にしない人が仕事が出来るわけはなく、職場の人を大事にしない人が家族だけ大事にすることもありません。

「信頼関係とはかけがえのないもの」と心底思っている人が「相手を惚れさせていい氣分になってみたい」と考えたりはしません。

そして全ての人が、「信頼関係とはかけがえのないもの。一旦壊れると修復は容易ではないもの」と学んでいるわけでもありません。

これは知識で学ぶことではなく、幼少期の親とのかかわりの中で多くは学ばれます。
親に精神的肉体的に虐待された人であっても、自ら他の人とのかかわりの中で学んだ人も少なくありません。

しかしいずれにせよ、「経験を通じて」体得していくものです。

これを体得しないまま、体だけ年齢だけ大人になっている人も少なくないのです。

ターゲットにされやすい人、ゲームを仕掛けてくる人

こうしたゲームに巻き込まれると、真面目な人ほどショックを受け、深く傷つきます。

真面目で純情、そして悪く言えば世間知らずな人ほどターゲットにされやすいので尚更です。

そしてこれは私の周囲を観察してのことですが、ターゲットにされやすいのは「同性の目から見ても魅力的な人、ただし『高嶺の花』ではない人」のようです。ゲームを仕掛ける立場に立てばわかりますが、「最初から相手にされなさそうな『高嶺の花』」や「女(男)であることを投げ出している、諦めている人」はターゲットにはしません。

そこそこきれいで、可愛く、男性なら爽やかな容姿で、美容やファッションにも氣を使い、清潔感があり、真面目で優しく、向上心のある人ほど「落とし甲斐」があるからでしょう。「惚れられていること」そのものが虚栄心を満足させなければ意味がないからです。

如何にも寂しげで、隙だらけの女性ばかりがターゲットになるとも限りません。人に一生懸命尽くしがちな、母性愛が強く、それでいてそうべたべた依存しない、或る程度放っておいても大丈夫な、しっかりさんがターゲットにされることも少なくありません。「一生懸命尽くされること」が「惚れさせるゲーム」で欲しいものですから、当然と言えば当然です。

またゲームを仕掛けてくる人は、必ずしもプレイボーイ・プレイガールとは限りません。いかにも真面目で誠実そうな人でも仕掛けてくることはあります。真面目で誠実そうに「見えても」、「自分の愛情の不全感は他人に満たしてもらって当然」の人はそう珍しくありません。そしてこれは、年齢も関係ありません。かなりいい歳をした大人にもたくさんいます。

そして、怒りや悲しみの持って行き場がないと、自分にその感情が向くことがあります。「私は何て情けない!こんなはずじゃなかったのに・・・!」

悔しさや悲しみを抑え込んだり否定すると、体の症状に出る(ぐったりする、頭痛や肩こり、円形脱毛症など)ことがあるので、しっかり感じきることが重要です。
できれば信頼できる人に、共感して話を聴いてもらえるとよいでしょう。

境界線を引けた大人になるきっかけに

そして最も大切なことは「それは貴方は悪くない」ということです。
対処する責任は何であれ負わざるを得ませんが、道義的責任は貴方にはありません。

世の中には、店頭に新入社員が配属されるころを狙って、わざわざ新入社員に嫌がらせをしに来る人もいます。ベテランの社員なら適当にあしらえるところを、新入社員にはそんなスキルはありません。
それを狙って、わざと嫌がらせをして店頭で大声を出す、そんな人も世の中にいます。

「惚れさせる」ゲームを仕掛けてくる人は、新入社員にわざと嫌がらせをしてくる人と同じです。
自分の寂しさを、人に紛らわせてもらわないといけない、と思い込んでいます。

寂しいのは誰も同じ。

真面目に生きていれば全員、寂しいし不安だし、悲しいのです。それをまき散らさないだけなのです。

大人は、それを誰かに負わせようとしてはいけません。

成熟した大人とは、自分で自分の寂しさに向き合い、自分の心を自分で満たせる人のこと。そして見返りを求めない愛情を注ぐことを、自分の喜びと誇りにできる人。他人に求めようとはしない人だと思います。

自分が自分に向き合わず、他人に負わせようとする人が、新入社員よりも、「惚れさせるゲーム」に巻き込まれた人よりも、本当の意味で未熟な人なのです。

【音声版・自尊感情を高める習慣・6回コース】

1回約20分、6回コースの音声教材です。

第1回 自尊感情とは何か。何故大事か
第2回 全ての感情を受け止め、否定しないことの重要性
第3回 「何が嫌だったか」を自分に質問する。目的語を補う
第4回 期待通りに成らない現実を受け入れざるを得ない時
第5回 小さな一歩を踏み出す・最低限のラインを決める
第6回 人生が変わるのは知識ではなく氣づき

第1回目は無料で提供しています。まず一週間、毎日聴き、ワークに取り組んでみて下さい。その後更に日常の中で実践してみたくなったら、6回分の音声教材(税込5500円)をご購入下さい。

🔗第1回・要約・氣づきメモ

6回分ご購入をご希望の方は、以下のフォームよりお申し込み下さい。

    弊社よりメールにて、振込先口座をご連絡します。振込み手数料はお客様負担になります。入金確認後、6回分の音声教材とPDFが表示される限定公開のURLとパスワードをメールにてお送りします。

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    生きづらい貴方へ

    自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。