自尊感情を高める7つの習慣③ 問題から目標へ・未来から現在へ

問題にはまり込むのは、問題だけに意識が向いているから

魂の成長課題を見つけた後は、それを達成した自分に意識を向ける段階に入ります。

中々「問題」「困った状態」から抜け出せないのは、多くの場合、運が悪いためでも、周りの人が助けてくれないためでも、自分がダメだからでもありません。

その「困った状態」に、自分の意識が向きっぱなしになっている、そして否が応でも「困った状態」にはまり込んでしまう、こうしたことがほとんどです。

私たちは世界の全てを意識できているわけではありません。自分の意識が切り取った世界だけを、見て聞いて感じています。そして、「意識が切り取った世界」の中に、否が応でも進んでしまいます。全く違う世界にいつの間にかいた、ということはやはりないのです。

物事が上手くいかない時、人は知らず知らずのうちに、以下のようなの質問を自分にしてしまっています。

「もし、上手くいかなかったらどうしよう・・・?」(What if クエスチョン)
「何故上手くいかないんだろう・・・?」(Why クエスチョン)
「上手くいくかな?いかないかな?」(Yes/No クエスチョン)

これらの質問は全て「上手くいかない」ことを意識が切り取っています。

※なお、Whyクエスチョンは、事故の再発防止のためなどの、タスクの問題究明や、見失いやすい目的に立ち返るためには不可欠な質問です。ただこれを「本当は誰にもわからない」人間の心においてやってしまうと、言い訳やもっともらしいストーリー(「あの人はきっと親に愛されなかったから、こんなに薄情なんだ」など)をくっつけて終わりにしてしまいやすいです。今起きている問題の現実的な解決には結びつきにくいのです。

例えば、彼氏からラインの返信が来ない、既読スルーされた時、

「もし、彼が浮気していたらどうしよう」
「何故、返信くれないのかな?」
「彼は私のことを大して好きじゃないのかな?」

・・・こんなことばっかり考えていて、彼氏とラブラブになれるでしょうか・・・?

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では、恋愛が上手くいく人は、その代りに何をやっているのでしょうか?上手くいく人にも、彼氏からラインの返信が来ない、といったようなことは、やはり起こります。

その時、「自分が欲しくないものではなく、欲しいものは何か」を考える、すなわち目標を考えられるかどうかです。この場合だと「彼とコミュニケーションを取ること」が「欲しいもの」であり、「目標」になります。

そして

「どうやったら彼とコミュニケーションが取れるだろう?」(Howクエスチョン)
「彼とコミュニケーションを取るのに、何ができるだろう?」(Whatクエスチョン)

などの、HowもしくはWhatの質問を自分にしています。この質問をしている時、「彼とコミュニケーションを取らない」ことは考えていません。どんな方法であれ、コミュニケーションを取ることしか考えていないのです。

 

これは恋愛に限らず、どんなことでも一緒です。「どうやったら東京に行けるだろう」を考えている時は「東京に行かない」ことは考えていませんし、「どうやったら売り上げが上がるだろう」を考えている時は「売り上げが上がらない」ことは考えていません。

当Pradoの心理セラピーでは、クライアント様がこのHowもしくはWhatの質問を、いちいち「えーと、どうするんだったっけ」と頭で考えるのではなく、瞬時にやれるようになることを目指しています。そして瞬時にできるようになったら、弊社の心理セラピーは卒業です。

目標が明確でないと、自分から不安に振り回される

当Pradoの心理セラピーは、クライアント様の目標(何が欲しいか)を重視しますが、「どんな場合でも、何が何でも目標を持つべきです!」というわけではありません。

自尊感情が十分に高まり、頭(顕在意識)と心(潜在意識)が一致した、言行一致の生き方をしていれば、「心から湧き上がってくるもの」に従って生き、自分も周囲も幸せにできるでしょう。ただし、この境地に達するのはそう容易ではなく、また自尊感情は何かのはずみで下がることもあるので、やはり目標はあった方が便利なようです。

と言うのは、例えば私(足立)がセラピストとしての目標を、明確にしていなかったとします。そうした場合、クライアント様が途中で来なくなることが起きた際、

「私が下手だったからじゃないか」

・・・と実際にはわかりようのないことを、ぐるぐると考えてしまいかねません。

クライアント様が途中で来なくなる、これには様々な理由があります。

私との相性や、方針が合わないこともあるでしょう。また、心理セラピーは自分と向き合うための、少なからぬエネルギーが必要です。大丈夫、やれると思っていたけれど、やっぱりしんどかった、ということもやはりあります。或いは経済的な理由で続かなくなることもあるでしょう。クライアント様ご自身にも、よくわからないこともあります。そしてこうした事情を、私には言いづらいのも当然の心情です。

「私が下手だったからじゃないか」は、多くの可能性の一つに過ぎません。

私自身の、セラピストとしての目標を、短期・中期・長期それぞれに明確にすること、し続けること、これは私にしかできません。そして上手く行こうが行くまいが、この目標を達成するための努力はするものなのです。

目標を明確にし、そしてやるべきことに意識をしっかり向ける。これを怠ると、「やっぱり私が下手だったから?」と考えても仕方のないことを延々と考え続けてしまいます。自分から不安に振り回されてしまいます。そしてその間、私のセラピストとしての技量は全く向上しません。

目標が具体化されないと「問題が取り除かれること」を願ってしまう

ところで、よく「目標を具体化しましょう」と言われますが、何故具体化する必要があるのか、どこまで具体化する必要があるのか、理解されていないことがほとんどです。

私たち人間の脳には、車と同じように、実はナビゲーションシステムが搭載されています。

ナビに入力する時、「兵庫県」だけでは動きません。「西宮市」でも動きません。「今津水波町」でもダメです。「12丁目13番地」まで入力して初めて、車は動きだします。

目標が漠然としている、例えば「自信をつけたい」「人に優しく」だけでは、ナビに「兵庫県」だけ入力している状態です。このままではどんなにアクセルを踏んでも動きません。

何ができるようになったら、「自信がついたか」「人に優しくできたか」が、自分でわかること、これがナビに番地まで入力する、ということです。これは当然のことながら、人によってまちまちです。

例えば「自信を持つ」なら、かつて「自分に自信がない」と感じた具体的な場面をひとつ取り上げます。

それが「クレームの電話対応で脚がガクガク震えてお客様の話をきちんと聴けず、却ってお客様を怒らせてしまい、自信を喪失した」場面だとしましょう。

自信のある自分なら、「クレームの電話に落ち着いて対応できている」になります。

そして、かつてはうまく出来なかった場面で、どのように違ってふるまっているのか、そのときに自分は何を見て、何を聞いて、何を感じているのか、五感すべてを使ってイメージしてみます。

電話に出ている自分の声はどうでしょうか?かつては心臓がバクバクしていたのなら、それはどう違っているでしょうか?脇にも背中にもびっしょりかいていた汗はどうなっているでしょう?ブルブル震えていた手や脚はどうでしょうか?

「ああ、すごく落ち着いていて、丁寧な声でまずお詫びできているなあ、汗もかいていないし、手も脚も震えず、しっかりメモが取れ、内容を復唱してお客様に確認できているなあ。そして電話を一旦切った後、そのメモを見て、きちんとトラブルに対処し解決できているなあ。結果お客様も安心してくださったなあ」など。

この行動レベルまで目標を具体化できて、ナビに番地まで入力したことになります。

そしてナビに番地まで入力できて初めて、目的地までのルートが導かれます。同じ兵庫県内でも、大阪にほど近い尼崎と、岡山に近い赤穂と、日本海側の豊岡ではみなルートが異なります。ルートとは目的地までのプロセスです。

何故、目標を具体化する必要があるのか、それはルート、つまり「踏むべきプロセス」を明確にするためです。この「踏むべきプロセス」がわからない時、人は「問題が取り除かれること」(「どうかクレームの電話がかかってきませんように・・・!」)をどうしても願ってしまいます。しかしそれをすると、「自分は問題よりも小さい存在だ」と潜在意識に暗示を入れてしまいます。これをやって自尊感情が高まることはありません。

自尊感情が低いとは、ありていに言えば自分に自信が持てないことですが、自分に自信が持てないとは「自分には問題解決能力がない」と思い込んでいる状態でもあります。

問題解決能力とは、問題解決の手段をあらかじめ知っていることではなく(あらかじめわかっていることの方が、寧ろ少ないでしょう)、その手段を導き出す、つまり「踏むべきプロセス」を導き出せる、「何とかする、何とかできる」と思えている状態のことです。これは能力と言うよりも、上記の「目的地を具体化する」その上で「踏むべきプロセスを明確にする」意識の使い方なのです。

この意識の使い方を身に着けず、他人と比べたり、まして他人を見下したりしてかりそめの自信を持ったような気になっても、何の意味もありません。

目標を達成した未来の自分から現在を振りかえる

そしてまた、問題を解決するためには、「問題に直面した過去もしくは現在の自分」ではなく「問題を解決した未来の自分」の視点に立って、その問題を捉える、この視点の転換が必要です。

簡単なたとえで言うと、問題が起こった時に、頭がカーッとなって心臓がバクバクした状態では、どんな人も問題解決はできません。「まあまあ、落ち着いて。深呼吸、深呼吸」と自分や他人に言った経験がどなたにもあるでしょう。誰でも本能的に、問題を解決した状態に先になればこそ、問題解決ができることを実は知っています。

「目標を達成した未来の自分なら、この問題をどう捉え、解決していくだろう」と未来から現在を振り返る質問を自分にする、これは今よりも高く広い視野を持っている自分で問題を捉えなおすことです。そして自分の目標がなければ、そもそもこの質問はできません。

今起きている「理不尽な困ったこと」は、今現在の自分の器では、当然のことながらそれに見合った受け止め方しかできません。同じところをぐるぐると回ってしまいます。

もしくは今更どうにもできないけれど、心に深い傷が残ってしまうことも、生きていれば避けられません。この痛みをどうにかしたい場合は「目標を達成した未来の自分なら、このことをどう受け止めるだろう、何を学ぶだろう、どう対処するだろう」と自分に質問します。

問題解決の手段にしろ、今更どうにもできないことから学びを得るにしろ、より高く広い視野があればこそ、これらは容易になります。誰かに何かを相談する時、誰も自分より低く狭い視野の人には相談しません。ただ愚痴を聞いてもらって傷をなめてもらうだけならそれでもいいのかもしれませんが、相談にはなりません。

脳は質問をすると、必ず答えを探し出そうとします。ただし「建設的な質問だから答えを探して、考えても仕方がないことだから答えを探さない」という区別を脳はつけません。だからこそ、建設的で効果的な質問だけを厳選して自分にする、その意識の使い方の習慣が生きやすさのためには不可欠です。そして目標はあった方が、建設的で効果的な質問が格段にやりやすくなります。

特別に能力が高いわけでも、夜も寝ずに頑張ってるわけでもないのに、目標を次々達成している人、はたから見て「生きやすく」生きている人は、ただただ闇雲に頑張るのではなく、この脳の使い方のコツがわかっているのです。

無料ステップメール「自分を大切にする7日間のレッスン」

自尊感情を高めるとは、自分を大切にすることと言い換えても良いでしょう。
「でも、具体的に何から始めたらいいの・・・?」の声にお応えして7日間のレッスンにまとめました。

《レッスンの一例》

● 体の声は心の声・体の状態に耳を傾ける
● 望まない人間関係に心の中で「No」を言う
● 「今・ここ」を生きるための自分への質問

Pradoの心理セラピー・セッションでお伝えしている内容を含んでいます。

どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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生きづらい貴方へ

自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。