潜在意識の特徴 ⑨過去・現在・未来の区別がない

過去のことを氣に病んでしまう理由

顕在意識、つまり頭では、過去と現在と未来の区別がついています。
ですから人はしばしば

「もう終わったことなんだから、いつまでも氣に病むものじゃないよ」とか
「まだ先のことなのに、どうしてそんな取り越し苦労をするの」

などと、相手を慰めるつもりでそのようなことを言ったりします。

しかしそう言われたところで、終わったことを氣に病んだり、取り越し苦労をすることをすぐにはやめられません。
それができれば誰も悩みはしないのです。

ほとんどの場合、「今現在、この瞬間には『困ったこと』は起きていない」ものでしょう。
だから多くの人が「『今ここ』を生きましょう」と言います。
多くの人が「『今ここ』を生きましょう」と言う、それは「『今ここ』を生きる」ことが、誰にとってもたやすくはない証拠です。

感情は潜在意識の領域です。
過去のことを氣に病む、とは、感情が癒されていないというサインに他ありません。

そして人は、起きた出来事そのものよりも寧ろ、その出来事の起きた意味を見つけられないために苦しんでいることが多いのです。
「何でこんな目に遭わなきゃならないの!?」と。

乗り越えた困難は、武勇伝になります。武勇伝になったとは、意味を見つけられたということです。

脳は出来事のショック度が大きいものであればあるほど、「意味づけ」をしようとします。どうでもいい出来事には、いちいちそのようなことはせず、記憶から削除します。
「この出来事はこれこれの意味だ」と意味づけをして、次に同じような事が起きた時にどうすれば生き延びられるか、その準備をしようとしています。

そしてこの意味付けが、ポジティブかネガティブかではなく、「自分が生き延びやすいような」意味付けをします。

自尊感情が低い人ほど、期待を裏切られてショックを受けなくて済むという「保険」のために、最初からネガティブな、悲観的な意味づけをしがちです。

「彼からラインの返信がないのは、彼が心変わりしたからだ」
「財布を落とした私は、どうしようもない人間だ」
「隣の奥さんに今朝『おはようございます』と言った時、奥さんは『おはようございます』とは言わなかったのは、私を嫌っているからだ。奥さんが私を嫌っているのは、私が嫌われ者だからだ」等々。

当然のことながら、こうした意味付けをすればするほど、自尊感情の低下を招いてしまいます。自分で自分を生きづらくしてしまっています。

潜在意識の中には未来も入っている

また反対に、「こんな自分になっていこう」と決めた時点で、その未来の自分は潜在意識の中に入っています。

スタイリストさんなど、お洋服が好きな人の中には「2、3年先の『なりたい自分』を服で先取りしてみましょう。そうすると望む未来が思ったより早くやってきます」とおっしゃる方もいます。これは大変理にかなっています。

ただしあまりに先過ぎると、無理が生じます。背伸びをし過ぎた嘘になってしまいます。「何か嘘っぽい」「自分らしくない」では本末転倒です。

少し先の、手を伸ばせば届きそうな未来の自分であれば、そう無理はありません。
2、3年先の「なりたい自分」を服で表現した時にワクワクする、それは潜在意識がGOサインを出している証拠です。

また、物事を結果的に上手くいかせる人は
「どうやったらできるだろう?上手くいくだろう?」
だけを考え続けています。

「上手くいかなかったらどうしよう」は考えません。「上手くいかない」フレーム、枠組みで未来を見てしまっているからです。

例えば「どうやったら東京に行けるだろう?」は、「東京に行かない」ことは、その時既に考えていません。飛行機でも新幹線でも高速バスでも、手段は何であれ、いつか必ず東京に辿り着きます。

問題の原因究明の際、「何で上手くいかないんだ?」と考えがちでしょう。現実に起きているマイナス要因を無視しないことも重要です。その上で、「何をしたら/しなかったら上手くいっただろう?」を考えると、今後の対策を講じられます。

「何で上手くいかないんだ?」だけだと、本当の原因ではなく、もっともらしい言い訳をして自分を納得させ、何もしないことになりがちなので、要注意です。「今日は給料日前だから、天氣が悪いから、お客さんが少ないんだ。だから仕方がない」などです。本当に給料日前なので、お客さんが少ないのかもしれません。しかし、毎月その言い訳をして何もしないのでは、じり貧になる一方です。

「潜在意識には未来の自分も入っている」とは、棚から牡丹餅的に素敵な未来が降ってくる、ということではありません。「どうやったら東京に行けるだろう?」を考えた時点で、既に「東京に行く」道筋はついている、という意味です。

「自分にとって都合の良い未来だけが、ある日突然やってくること」を望んでいる間は、「都合の悪いことを恐れる自分」になっています。それでは、自分を信じていることにはなく、自尊感情が高い状態とは言えません。

東京に向かう道中、たとえ何かアクシデントがあったとしても、どうにか乗り越えて東京に辿り着くことができる、と思えてこそ、東京への一歩を踏み出すことができるのです。

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第1回 自尊感情とは何か。何故大事か
第2回 全ての感情を受け止め、否定しないことの重要性
第3回 「何が嫌だったか」を自分に質問する。目的語を補う
第4回 期待通りに成らない現実を受け入れざるを得ない時
第5回 小さな一歩を踏み出す・最低限のラインを決める
第6回 人生が変わるのは知識ではなく氣づき

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🔗第1回・要約・氣づきメモ

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    生きづらい貴方へ

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