潜在意識の特徴③何故三日坊主が起こるのか

潜在意識は「現状を維持したがる」

習慣とは第二の本能と言われます。私たちは本能はどうすることもできませんが、習慣は変えられます。習慣になってしまえば「やらない方が氣持ち悪い」になります。

ただし、「三日坊主」の経験のない人はいないでしょう。
どんな習慣を身につけているかで人生の質は決まります。しかし習慣を変えること、新たな習慣を身につけることほど根氣がいり、難しいものもまたありません。

何故、新しい習慣を身につけることが誰にとっても難しいのでしょう?
それは意識の80~90%を占める潜在意識が、とにかく現状を維持したがるからです。

ホメオスタシスという言葉があります。恒常性、という意味で、私たちの体温、脈拍、呼吸等を常に一定に保とうとする働きです。

これも潜在意識の中にある、自律神経が担っています。
この恒常性があればこそ、少々の環境の変化にも人間の体は耐えられるようになっています。

そして潜在意識は何しろ判断が出来ません。
「これは現状を維持した方が良い、これは変えた方が良い」という判断ができません。

体重をあと○kg落とした方が体のためだ、と頭、つまり顕在意識では判断できても、とにかく潜在意識は現状を維持しようとします。

急激なダイエットの後、リバウンドが来るのはこのためです。
また逆から言えば、今日は食べ過ぎても、翌日は意識しなくても自然と食べる量が減ります。これも潜在意識が現状を維持しようとするためです。

まずは「習慣づけ」そのものを最初の目標に

ですから、勉強でも運動でも人とのコミュニケーションでも、新たな習慣を身につけるための最大のコツは、「最初からやりすぎない」ことです。

えてして人は、最初ほど張り切り過ぎて、やり過ぎてしまうため、潜在意識が全力で現状を維持しようと引き戻してしまう、これが三日坊主の正体です。

ですから、最初は、何分やるかとか、どれだけ難しい事をやれるかとかはまず脇に置いて、「習慣づけそのもの」を第一目標にするのがコツです。

最初は、潜在意識が「やったかやらなかったか、その差がわからないくらい」少しだけやります。潜在意識の引き戻しを起こさせないためです。読書なら1ページだけ、本を開くだけ、スクワットなら1回だけ、とか本当に少しだけでOKです。「スクワット1回だけなんて」でしたら、初日は3回とか5回程度に留めます。10回×3セットをいきなりやろうとすると、大抵の場合、翌日はもうやる氣がなくなってしまいます。

「やらないのが氣持ち悪い」になった時点で、少しずつ増やす、これが潜在意識の引き戻しを起こさないコツです。

人生が中々変わらない人は、この小さな一歩を馬鹿にしたり、面倒くさがったりしています。「たったこれっぽっち、やってもやらなくても一緒」「まあ、いいか、明日からやろう」を何日も、何週間も、何か月も、何年も続けています。

建設的にどんどん変えられる人は、「すぐにできる小さなこと」を、それこそ待ったなしですぐやってみる、このフットワークの軽さがあります。

このことが、人生の大きな分かれ道と言っても過言ではありません。

潜在意識は三歳児と同じ、三歳児に接するように優しく粘り強く

そして更に大事なことは、「一日やれなかったとしても、そこであきらめない」ことです。
新しい習慣を身につける成功の第二のカギは、実はここにあります。読書でもスクワットでも、最初から毎日やり続けられる人はまずいないでしょう。新たな習慣を身に着けられるか、三日坊主になるかは、「何度でもやり直す」かどうかにもかかっています。

誰もが幼い時に、トイレトレーニングをしました。お母さんが、今日からはおしっこやうんちをトイレでする、という新しい習慣を身につけさせようとします。

しかしどの子も、トイレトレーニングを始めたその日から、百発百中でトイレで用を足せる、ということはあり得ません。
どんな子供も、最初のうちは間に合わなくておもらしをしてしまいます。

その時、お母さんはあきらめてしまったでしょうか?お母さんが忍耐強く、愛情を持ってあきらめなかったからこそ、私たちはトイレで用を足せるようになったのです。

潜在意識は、それこそトイレトレーニングを始める三歳児と同じです。
一日やれなかったからといってあきらめてしまうのは、一回おもらしをしたからといって、お母さんがトイレトレーニングをあきらめてしまうのと同じです。

そして潜在意識は、顕在意識で考える以上に、愛を欲しています。何しろ三歳児ですから。

幼い子供はお母さんに何度もこう尋ねます。
「お母さん、私のこと好き?どれくらい好き?」
愛に満ちたお母さんなら何度でも
「大好きよ、世界で一番大好きよ」と繰り返し答えてあげるでしょう。
間違っても「昨日答えたでしょ!何べん同じこと訊くの!」とは言いません。

愛のあるお母さんなら、おもらしをしても「次は頑張ろうね」と励まし、うまくできたら「すごいねー!えらいよ!」と手放しでほめてあげるでしょう。

夢を叶えた多くの人が「あきらめなければ夢は叶う」と言います。
これは自分に対して、トイレトレーニングをするお母さんのように、愛情深く忍耐強く接し続けた、ということだと思います。

自尊感情の中身には、この愛情に裏打ちされた忍耐も含まれます。嫌なことをただ我慢することと、粘り強く忍耐することは違います。この粘り強さは、信頼と愛、そして希望があればこそのものです。「この子はいつか必ず、ひとりでトイレで用を足せる」とお母さんが信じて接するようなものです。

自尊感情が豊かな人は、努力や忍耐をしていても、どこか楽しそうなのは、この粘り強さのためでもあるでしょう。

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1回約20分、6回コースの音声教材です。

第1回 自尊感情とは何か。何故大事か
第2回 全ての感情を受け止め、否定しないことの重要性
第3回 「何が嫌だったか」を自分に質問する。目的語を補う
第4回 期待通りに成らない現実を受け入れざるを得ない時
第5回 小さな一歩を踏み出す・最低限のラインを決める
第6回 人生が変わるのは知識ではなく氣づき

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🔗第1回・要約・氣づきメモ

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    生きづらい貴方へ

    自尊感情(self-esteem)とは「かけがえのなさ」。そのままの自分で、かけがえがないと思えてこそ、自分も他人も大切にできます。自尊感情を高め、人と比べない、自分にダメ出ししない、依存も支配も執着も、しない、させない、されない自分に。