リアルにイメージすることの力
スポーツの世界で、イメージトレーニングが効果をあげているのを聞いたことがあるかと思います。
これも潜在意識の「現実と非現実の区別がつかない」特徴を活用しています。
脳は、リアルにイメージすると、現実にそれが起こった時と同じ神経回路に電気が走り、体に反応を起こします。
試しに以下の事をイメージしてみましょう。
目の前に黄色のみずみずしいレモンがあります。
そのレモンを手に取って、少しひんやりした感触や、レモンの重さを感じてみます。
そしてナイフを手に取り、レモンを横に二つに切ります。
レモンの果汁が飛び散り、レモンの香りが鼻腔をくすぐります。
そして薄くスライスし、その一片を指先でつまみ、口元に持ってきて、香りをかぎ、口の中に入れて噛んでみましょう。
さあ、今、口の中はどうなっているでしょうか・・・?
「嫌な出来事は客観」「望む未来は主観」でイメージ
そしてしばしば、私たちがやってしまうのは、「嫌な出来事を主観で思い出し、望む未来を客観でイメージする」ことです。
嫌な出来事・・・例えば殴られたことがあったとして、現実に殴られたのは一回でも、それを主観でリアルに思い出すと、脳の中では同じ反応が起きてしまいます。
つまり、何度も殴られたのと同じ経験を自分にさせてしまいます。
もう終わった事なのに氣が滅入るのは、主観でその時の出来事を何度も思い出しているからかもしれません。
ただ、教訓を得るために、潜在意識がその嫌な出来事を思い出させようとする事があります。ですのでその場合は、意識して、客観でイメージしてみましょう。自分を友人などの他人に置き換えて、その友人にどんな言葉をかけてあげるかを想像すると、氣づきを得やすいです。
そして望む未来は主観でイメージすると、脳の中では現実にそれが起きた時と同じ神経回路に電気が走ります。
過去のことほどリアルにイメージするのは難しいかもしれません。が、できるだけリアルに見て聞いて感じると、レモンの時と同じく脳がそれを体験してくれます。
リアルにイメージが出来ると、実際に行う時は2回目です。そして何でも、2回目は簡単です。
陸上短距離選手のフローレンス・ジョイナー(長く伸ばした爪で有名でした。ソウルオリンピックの金メダリスト)が、
「試合に勝つイメージを、五感をフルに使ってリアルに出来た時は、必ず勝つ」
と言っていたそうです。
望む未来を先取りする、それは今現在の自分を否定することではありません。その未来の自分も、自分の潜在意識の中にいる、ということです。未来の自分に関心を向け、「出てきていいよ」と応援することです。
自分を応援すること、これも自尊感情の大切な要素です。
「違いを生み出せる自分」のために
当Pradoのセッションでは、セッションの終わりに次回までの小さな宿題を出します。そして、
「この宿題をやって頂いたら、次回までに何が違っていると思いますか?」
もしくは「どんな氣づきがあるでしょうか?」
と質問をします。
この答えに正解はありません。前向きで建設的なものであれば、何でも構わないのです。
これは、
- 宿題を必ずやる
- 宿題を通して、クライアント様が変化を生み出せる
- クライアント様が氣づきを得る
という前提になっています。
人生にとって、変化をもたらすのは知識ではなく、氣づきです。知識は忘れてしまうことも多々ありますが、氣づきはより深まり、刷新されることはあっても、知識のように忘れ去ってしまうことはありません。
「自分は違いを生み出せる。その違いは、人生をより良いものにしていく」と方向づけられれば良いのです。それが今は現実のものになっていなくても、潜在意識が納得していることが大事です。そして現実は後からついて来ます。