「引き寄せ」のためには具体的な行動が必要
ひところ「引き寄せの法則」が話題になりました。
得たいものをイメージしてワクワクすればそれが手に入る、といったところですが、手に入れるためにはやはり行動が必要です。
「ハワイのビーチで素敵な時間を過ごしている私」をいくらイメージしても、ある日目が覚めたらハワイにいた、ということは起こりません。
しかし一旦「ハワイに行こう!」と決めたとたん、何故かハワイに関するものが目に飛び込んできたり、人づてに欲しい情報を得られたり、そのような経験をした人はきっと多いでしょう。「ハワイ」というアンテナを立てていればこそです。引き寄せとは結果ではなく、プロセスが引き寄せられることです。ふとした思いつきやひらめきも、引き寄せの内です。
そして、ハワイ旅行に行くための具体的な行動、プロセスを踏んでこそ、ハワイへ行くことが出来ます。
実は誰しも、良きに着け悪しきに着け、引き寄せの法則は実践しています。より望ましいものを引き寄せるために、様々なコツがありますよ、というのが世間で言われる引き寄せの法則です。
脳の中は意識を向けたものだらけ
それでは、脳の中で起こっていることを説明しましょう。
今、目に映る物で「赤いもの」がどれくらいあるか1分間よく見渡して下さい。
そして目を閉じた後、「青いもの」がどれくらいあったか、目を閉じたまま即答できるでしょうか・・・?
恐らく、一生懸命思い出そうとしないとわからなかったかと思います。
私たちは、目で見ていても、耳で聞いていても、脳の中にすべてをインプットしているわけではありません。意識を向けたものを「重要だ」と脳が勝手に判断し、勝手に優先順位をつけて、インプットしようとします。優先順位の低いものは、勝手に削除されます。
上記の例では、「赤いもの」だけに意識を向ければ向けるほど、現実とは関係なく、脳の中では「世界は赤いものだらけ」と認識しています。
ここに善悪や事の軽重、有利不利などの価値基準は存在していません。
そしてまた、「欲しいもの」を「~ない」と言う言葉ではなく、肯定型で考えることも大変重要です。
「青いネズミを追いかけているピンクの象を、絶対にイメージしないでください」
・・・今、イメージしましたね!?
脳は大変素早く反応するので、「青いネズミを追いかけているピンクの象」と言った瞬間にイメージしてしまいます。
またこうした経験はないでしょうか?
「イライラしたらあかん、今はイライラしたらあかんねん、今だけは絶対にイライラしたらあかん」
・・・さあ、どうなるでしょうか?ますますイライラしてしまうでしょう。「イライラ」が脳にどんどんインプットされてしまうからです。
ですからこの場合は、「落ち着こう」「リラックスしよう」など、自分にしっくりくる肯定型で自分に言ってあげると効果的です。
「イライラしたらあかん」と自分に絶対に言ってはいけないわけではありません。とっさに出てしまうものです。そしてその自分にできるだけすばやく氣づいてこそ、肯定型で言い直せます。あるがままの自分を大事にするとは、「イライラしたらあかん」を言ってしまう自分を認め、受け入れ、なかったことにしないことです。だから気づけます。氣づかなければずっと続けてしまいます。
「欲しくないもの」ではなく「欲しいもの」を肯定型で、できるだけ具体的に脳の中にインプットする、「欲しくないもの」が浮かんだら「欲しいもの」に変える、この習慣だけでも人生が変わり始めます。
意識が切り取った世界に、私たちは望むと望まないと関わらず、否が応でも進んでしまいます。
「流れ星が流れている間に願い事を言えると叶う」理由
流れ星が流れている間に、願い事を言えるとその願いは叶う・・・これも上記のことで説明がつきます。これは迷信ではありません。
流れ星がいつ何時現れようと、瞬時に「欲しいもの」が言える状態になっている、脳の中にそれがいつ何時でもある人が、流れ星が流れても流れなくても、願いを叶えることが出来ます。
「どうせ」「もし~だったらどうしよう」は望まないものを意識が切り取っている
「どうせだめだ」とか、「もし~だったらどうしよう」は、望まないものに意識が向いています。あるがままの自分を大切にする自尊感情が低い時、即ち自分に自信が持てない時は、つい考えてしまいがちです。
しかし上記の通り、望まないものに意識を向けっぱなしで、それだけを考えたまま、望むものが手に入ることはありません。
私たちは、望むものが得られたら、ーダイエットに成功したら、収入が上がったら、素敵な恋人ができたらー自信がつく、と考えがちですが、真実は逆です。
自分は自分で良いと思えた上で、更に「もっと収入を上げたい。素敵な恋愛がしたい」と考える、だから収入が上がり、恋人ができます。
恋愛を例に取ると、自分の自信のなさを埋め合わせるために、異性と付き合おうとする人と、自分が付き合いたいかを考えればよくわかります。こんな失礼な話はありません。収入を上げたいも同じです。自分の自信を高めるために、お客様に貴重なお金を払わせる、これは仕事ではありません。一体誰のための仕事か、ということです。
自尊感情の豊かさとは、自然体の境地
自分の子供や部下に、まして自分自身に、行為ではなく存在に(やってはいけない行為を叱ったり、反省を促すことは勿論必要です)ダメ出しをして、成長したり幸福になったりすることはありません。
自分は不完全だ、という暗示を自分で入れてしまうと、不完全な現実が実現されてしまいます。自分を欠けた丸ではなく、小さくても完全な丸と思えると、何が起こっても起こらなくても、全ては完全である、という現実が実現されます。
この境地に達すると、あまりガツガツとはしなくなります。チャレンジする意欲はあります。しかし「海外旅行やディズニーランドに行かなければ、幸せではない!」と、チャレンジしたいとは違うことです。海外旅行であろうとなかろうと、あってもいいし、なくてもそれで不満ではない。こうした自然体で過ごせるようになっていきます。
条件付きの幸福は、自尊感情の豊かさではありません。「この嫌な苦しみがなくなったら、幸福になる」でもありません。苦悩も込みの人生です。
苦悩や葛藤はあるのが当然。
失敗しない、ではなく、失敗はするもの。
恥はかいてなんぼ。
これが自然体の境地です。
当Pradoが目指す自尊感情の豊かさとは、こうした自然体の境地でもあるのです。