自尊感情にまつわるコラム

人心掌握が上手い人が必ずしも誠実とは限らない理由

事実が地図として脳の中に入る時起こる、一般化/削除/歪曲

私たちの脳の中には、事実そのものではなく「地図」が入っています。そして全員違う地図を持ち、その地図で世界を推し量っています。
地図にするのは、事実そのものを全て脳の中にインプットすることはできないからです。

そしてどんな地図も「一般化」(地図の記号のようなもの。例えば〶の記号は郵便局ですが、〶そのものは現地にはありません。存在しているのは個別の建物です)
「削除」(電柱や看板、雑草や落ちているごみなどは地図からは削除されます)
「歪曲」(定規で測ったようにまっすぐな道はありません。必ずゆがみがありますが、それは地図には描かれません)されています。

私たちの脳の中の地図も同じだ、ということを理解しておくことが重要です。

人心掌握が上手い人の中には、この人間の脳の「一般化/削除/歪曲」を悪用する人が少なくないのです。

人心掌握が上手い人の中には、人の不全感につけこむ人もいます

ところで、人心掌握は誠実さの結果が一番ですが、真に誠実な人は時に「耳が痛い言葉」を言うこともあるので、煙たがられたりもします(シェイクスピアの「リア王」はまさにこの話です)。

耳に痛いけれど、こちらの成長を願って真実を言ってくれる人、そして汚れ役を買える人は信用できるでしょう。
本当に誠実な人は、ただただ「優しいだけ」ということはないようです。

しかしいわゆる「癒してくれそうな人」「聞こえの良いことばかり言う人」「美談を語りたがる人」の中には、人の不全感につけこむ人もいます。

そういう人は、人間の快は感じたいし、不快は感じたくない本能、そして潜在的な「人から認められたい」「自分を善人だと思っておきたい」「孤独を癒したい」欲求を上手に利用しています。
人間の心が何を欲しているのかを、意識的にか無意識的にか、熟知しているのです。

美談についほろりとしてしまうのが人情ですが、これには「自分も『良い人』の側にいたい」という潜在的欲求、そして美談を語る人を「良い人」と同一化してしまう思考の罠があります。

そしてどんなにしっかりした人でも、一旦不全感につけこまれると相手を「良い人」「優しい人」「癒してくれる人」と「歪曲」してしまい、中々真実を見破れないようです。

自分の不全感ー不安、自信のなさ、孤独ーに向き合うこと

誰しも先のことはわからないので不安ですし、全てにおいて完全な自信があるわけでもなく、そしてまた大なり小なり孤独を抱えています。

こうした「不全感」に向き合っていないと、或いは自分以外の何かから埋め合わせてもらわなければならない、と思い込んでいると、この不全感にいつの間にかつけこまれてしまいます。

不全感があってはいけないのではなく、自分にもあるのだ、という客観性が重要です。そして不全感があることそのものに、良い悪いはありません。
自尊感情を高めるとは、この不全感をも「なかったことにしない」ということです。

「あれ!?おかしいな」という不一致感をキャッチする

どんなに信用に足る人であっても、人間である以上欠点もあります。腹の立つこともあるでしょう。
しかし真に誠実な人には「あれ!?何か変だな!?」という不一致感はないようです。

一回二回の「あれ!?おかしいな」は見て見ぬふりしがちです。しかし度重なる場合は、勇気を出してその人をあらゆる角度から見てみることも必要でしょう。
その人が真に誠実で思いやりのある人なら、そのような行動を取るか、そのような結果になるかを考えてみるといいかもしれません。
相対している時は歓心を買うために優しくしてくれても、陰の行動はそうではない、ということもあります。

この不一致感は直感です。常日頃、五感を研ぎ澄ませ、リラックスする時間を持つこと、自然と接する機会(家の近所を散歩するようなことでも構いません)を持つことなどが直感を鋭くします。

嘘をついて平気な人には近寄らない

嘘にも「相手を傷つけないための嘘」や「その場の体裁を取り繕うために、とっさについてしまった嘘」もあります。

大多数の人は、「体裁を取り繕うために、とっさについてしまった嘘」(例えば本当は寝坊して遅刻したのだけれど、恥ずかしさのために「電車が遅れて・・」と言い訳するようなこと)には良心の呵責を感じます。そしてこうした嘘はつきたくないものだ、と感じています。またこうした半嘘をついて言い訳をしたことのない人など、中々いないでしょう。これが人間の悲しさでもあります。

しかしこの世の中には意図的に、相手に取り入るためや、利用するため、自分の全能感を満たすため、要は自分のエゴのために嘘をつき、そしてそれに良心の呵責を感じない人が存在します。
こうした人ほど、第一印象は感じが良く、親切にしてくれたりします。「見るからに嫌な感じ」な人は余りいないようです。

「相手を傷つけないための嘘」「恥ずかしさを取り繕うためとっさについてしまった半嘘」以外の嘘をつく人には、近寄らないのがベストでしょう。嘘をついて平気な人は、何度でも嘘をつきます。

信頼を傷つけられると腹も立ちますし、意見したくもなりますが、そのような人には「何を言っても無駄」です。自分が更に傷つくだけです。

世の中には「こちらが完全に引き下がる」「関わらざるを得ない場合は事務的に、できるだけ最小限度にする」しかない相手も残念ながら存在します。
仕事上どうしてもそのような人と関わらざるを得ない場合は、一人で抱え込まず、相談できる人をみつけておくのもひとつでしょう。

なぜそのような人が存在するのかは諸説あります(先天的な脳の機能の問題、或いは幼少期の家庭環境など)。しかしはっきりしたことはわかっていません。

「答えは自分の中にしかない」

自尊感情が低下していると、「この人についていけば安心」という存在を無意識にでも求めたくなります。

カリスマ性のある人、魅力的な人ほどそういう存在を「演じる」ことがあります。逆に言えば、余り魅力を感じない人に「ついていきたい」と通常人は思いません。

しかし本当に愛のある人は、そのような役を演じたりしません。冷たいようでも「答えは自分の中にしかない」を貫きます。
求められればアドバイスをすることはあるでしょう。しかしそれも、ヒントの一つでしかない、とわきまえています。

ホンダの創業者・本田宗一郎の逸話に、自分の講演に来たお客さんに向かって、
「あんたら、こんなところに来て、わしの話など聞いている暇があったらとっとと帰ってやることやらんかい!帰れ!仕事しに帰れ!」
と叱った、という話があります。

人の話は(このサイトであっても!)「自分の中のもやもやとした気づきの卵」を言語化し、整理するのには役に立ちます。しかし気づきそのものの代わりにはなりません。

自分の感情、体験に向き合い、気づきを得ること、「答えは自分の中にしかない」「自分自身が最大の教師」が自分の中心に据えられていればいるほど、「不全感につけこまれる」ことは減っていくでしょう。

無料ステップメール「自分を大切にする7日間のレッスン」

自尊感情を高めるとは、自分を大切にすることと言い換えても良いでしょう。
「でも、具体的に何から始めたらいいの・・・?」の声にお応えして7日間のレッスンにまとめました。

《レッスンの一例》

● 体の声は心の声・体の状態に耳を傾ける
● 望まない人間関係に心の中で「No」を言う
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Pradoの心理セラピー・セッションでお伝えしている内容を含んでいます。

どんな自分も否定せず、そのまま見て、耳を傾けることで「生きやすさ」は増していきます。
自分を大切にすることで、打たれ強く、柔軟で、ぶれない心を・・・!

 

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