「イライラしちゃダメ!」と思えば思うほど
弊社の心理セラピー・セッションを受ける前に、必ず「~ない」という言葉を使わずに、肯定形でどんな自分になりたいかを考えて持ってきてください、とお願いしています。普段使っている言葉に注意を払い、「ネガティブ+ない」をできるだけ肯定形に変える、そんなことから人生は変わり始めます。
例えば、こういう経験はないでしょうか?
「イライラせんとこ。今絶対にイライラしたらあかん!イライラしたらあかんねん・・・」
と自分に言い聞かせるほど、イライラしてしまう・・・。
それは脳にドンドン「イライラ」をインプットしているからなのです。
「あがったらダメ」「間違えないで!」「心配するな」等々も同じです。
それはどういうことか、と言うと、
「東京タワーを
想像しないでください」
今、想像しましたね!?
脳は大変素早く反応します。「東京タワー」と言う言葉を見たり聞いたりした瞬間、あの赤い二等辺三角形の東京タワーをイメージしてしまいます。
先の例ですと、「イライラしない」ではなく「落ち着こう」「穏やかでいよう」などと言い換える練習をすると効果的です。
もちろん自分の言葉でOKです。
また、「絶対に『イライラしない』と思ないでおこう」と思うと、また「イライラしない」を考えてしまいます!
絶対に「イライラしない!」と考えないことには無理があります。「ああ、今『イライラしない』と自分に言ってるな」と、できるだけすばやくキャッチし、違う言葉に言い換えられれば、それで充分です。キャッチできるもう一人の自分がいること、これを客観視と言います。自尊感情の基盤となるものです。
小さな子どもに「ミルクをこぼさないで!」と言った瞬間にミルクをこぼしてしまうのは、「ミルクをこぼす」が脳にインプットされるからです。
この場合「コップをまっすぐに持っていてね」などと言うと、子どもはその通りに持ってくれます。
また公共のトイレなどに
「きれいに使って頂きありがとうございます」
などと表示しているのを見たことがあるかもしれません。
もうおわかりですね!?
「汚さないでください」
だと「汚す」が脳にインプットされてしまうからです。
「~ない」と言う言葉が出てきてしまったら、それをキャッチして自分の言い換えてみる、この習慣だけでも心の状態が変わっていく、人の心は複雑ですが、脳にはこのように意外と単純な側面もあります。