おすすめ本

「脳内麻薬」中野信子

冒頭にあった「1時間に7000回もレバーを押すネズミ」の話にはぎょっとしながらも何か納得。
レバーを押すことでドーパミンが放出されるよう、電極を埋め込まれたラットは、水も食べ物にも目をくれず、赤ん坊のラットも放置し、レバーに近づくと肢にショックが走る「罰」を与えてもなお、猛烈なスピードでレバーを押し続けたとのこと。
・・・依存症とは、脳の中でこれが起こっているのです。

特に第4章の「社会的報酬」で、人間の脳は生理的報酬、金銭的報酬以外に社会的報酬(関心、賞賛、信頼、尊敬、友情や愛情など)を得ることで脳にドーパミンが出るようになっている、とのこと。
それにもふむふむ、と思っていたのだけれど、中見出しの「責任というストレスの回避」に「責任取るのがいやって、ストレスだと思ってたから!?」と驚き(「責任を持つ=愛」と考えているので)、私なりに考えてみました。

信頼とか尊敬とか、高次の社会的報酬を得ようとすれば、当然責任を持たなくてはなりません。無責任な人を信頼する、ということはないのですから。
責任を持つ→信頼を得る→社会的報酬(ドーパミン)、というサイクルを脳が記憶すると、自分の能力に見合った、あるいはややストレッチした責任を取っていくことは怖くなくなります。これは健全なパターン。

ところで、どの職場でもそうだと思いますが、クレームを起こす人は大抵決まっていて、ではその人が能力が特別低いかというと、実はそうでもありません。
無意識が「叱られることで関心を得る」パターンを記憶していると、クレームを起こす→関心を得る→社会的報酬(ドーパミン)、というサイクルが脳に入っているのではないか・・・と推測します。

これはいわゆるクレーマーも同じ。
対人依存、DVや親子依存を含む共依存、(代理)ミュンヒハウゼン症候群等、「困った人間関係」にはまり込んで抜けられないのは、責任を回避して社会的報酬(ドーパミン)を得るパターンを脳が記憶している、ということのようです。

子どもの頃から、例えばお手伝いをさせるなど、小さな責任を持たせることで信頼を得るという、健全なパターンを脳に記憶させることが非常に重要なのだと改めて思います。