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「いい子」の落とし穴 「毒になる親」スーザン・フォワード

目標ではなく問題に意識が向いていると、問題にはまり込んでその先には行けません。
しかし何度目標の導出を行おうとしても、やはり問題にはまり込むクライアントは実は少なくありません。

その時、セラピストは何が起こっているのかをクライアントのバックグラウンドも含めて洞察する必要があります。

最近の私の手引書の一つに「毒になる親 一生苦しむ子 スーザン・フォワード著」があります。
いわゆる「毒になる親(性暴力も含む暴力、アルコール中毒など)」は子供のアイデンティティを大きく損ない、成人後も苦しめます。
(勿論人間の脳には可塑性があるので、自己教育により立ち直る人も多いのですが、苦しむ事には変わりがありません)

殊に日本の場合は、母親による過干渉と、父親の実質的なネグレクトが、子供の「自分は何者か」を損なっているのではないか、と思います。
そしてそのことが、子供に「いい子」の仮面をかぶらせていることが多いようです。

自分のやっていることが、自分の自由意志の選択によるものではなく、親や周りの大人がそうしろと言うことにただただ応えているだけならば(そして何のためにやっているのかさえ自分でも気づいていないのなら)、努力すればするほどむしろ自信は損なわれていくのではないでしょうか。

そして「自分は何が望みか」からどんどん遠ざかってしまいます。

「いい子」であることは時に恐ろしいことです。
本人も周囲も、その恐ろしさに気がつかないから尚更です。

目標の導出の前に、リフレクティブ・リスニング(反映的傾聴)などで本人の価値観(何を大事にしたいか)の導出をすることにより、自分の顔の輪郭をはっきりさせることがまずは必要なのでしょう。